漢方坂本/坂本壮一郎@note
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当薬局では病治を主とするその性質上、病・症状を回復へと向かわせることで、最終的には漢方薬を必要としない状態を目指していきます。
それが基本です。ただし漢方薬にはそれとは別に、日常に寄り添う優しさがあることも確かです。
例えば常備薬、時にお茶代わりとして、体調を管理するべく続けている方もいらっしゃいます。漢方には元来、そういう生活に根付く力があります。ある人が、こんな文章を残しています。
昔は「富山の薬売り」というのがいて、ちょっとした傷薬や感冒薬、腹痛の薬などを常備薬として家庭に備蓄しておく文化があったと。誰でも気軽に使えて、さらに良く効き、副作用が少ない、そういう薬が本当の良い薬なのではないかと。
正にその通りだと思います。
今でも漢方薬は薬局に行けば簡単に買えます。しかし昔のように生活に根付き、文化として継承される漢方薬は少なくなりました。
富山の薬売りのような漢方を扱う専門家が少なくなったからです。良い薬は今でもある。だからこそ、上手に使うための知識と技とを学んでいかなければ、漢方は文化として生き残ることが出来なくなるでしょう。
それは大変勿体ないことだと思います。
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父の代からずっと同じ薬を購入され続けている患者さまが何人かいました。その方にとってその薬は、日常的に無くてはならない、まさに生活に寄り添う薬でした。
そういう薬の一つに「声枯れの薬」があります。特に歌手の方や詩吟を愛する方、つまり「声と咽」を良く使う方に人気の高い薬です。
いつも手元に置いておき、声を使う時にはその前後に必ず服用する。すると声の伸びが全然違うのだとおっしゃいます。また風邪を引いたあとの声枯れにも大変よく効きます。
しかも証とか病理とか見極める必要がありません。どんな方であっても、無作為に出しても、副作用なく効果を発揮してくれる良薬です。
残念ながらその薬は保険適用にはなっていません。市販薬として販売されてもいないので汎用性が低いという弱点があります。
しかしその薬ではなくても同じように効果を発揮することの出来る薬があります。保険適用になっていて、かつ市販でしばしば手に入れることのできる漢方薬です。
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麦門冬湯。空咳に使う咳止めで、いわゆる咽に潤いを付ける名方です。
しかしこの麦門冬湯、声枯れ(嗄声:させい)に使う際にはそのまま服用してもあまり効果が出ません。効果を発揮するためには使い方にちょっとした工夫が必要です。今回はそのことについて解説していきたいと思います。
そして全部でそのコツは3つあります。
私がしばしば感じるのは、薬方選択は間違いではないが、その使い方が間違っているために効果を発揮できていないパターンが、漢方治療にはしばしばあるのです。
大変もったいないと思います。別の言い方をすれば、ちょっとした工夫、されど決して馬鹿に出来ない工夫をちゃんと知っているかどうかが、臨床の腕を左右するとも言えるでしょう。
今回はその辺りを解説していきます。ご参考にした頂ければ幸いです。
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《note》「声」を使う人の常備薬・麦門冬湯はこう使わなければ「声枯れ」には効かない

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