漢方坂本/坂本壮一郎@note
noteに以下の記事をアップしました
・
・
・
清湿化痰湯(せいしつけたんとう)という漢方薬があります。
コタローで出ています。よく製剤化したなと思うくらいマニアックな処方です。
コタローさんの良いところは、他で出していないエキス顆粒剤を沢山出しているところです。
漢方薬は使われなければそのうち歴史から消えていきます。誰が使うの?と思うような処方まで製剤化しているコタローさんは、そういう意味で身を削って漢方に貢献している企業です。
採算度外視、意地で作り続ける。清湿化痰湯もそういう処方の一つなのではないかと。
なぜならばこの薬、漢方処方の中でも相当使い方が難しい薬です。
難しいというか、分かりにくい。短絡的に使っても効果はほとんど出ない薬だからです。
・
もともとは中国・明代の医学書『寿世保元(じゅせいほげん)』に収載されていた薬です。
解説としては『勿誤薬室方函口訣』の中で浅田宗伯が伝えているものが有名です。
要は「痛み」に使う痛み止めです。肩や背中、四肢に走る体の痛みです。
二陳湯という「痰飲・痰湿」を除く薬がその骨格になっているため、浅田は「湿痰流注・経絡関節不利」を目標にしろと解説しています。
小太郎漢方製薬株式会社のHPでは、以下のように説明しています。
・・・・・・・・・・・・・・・
■清湿化痰湯(せいしつけたんとう)
本剤は、体の余分な水分である湿痰いわゆる水毒が原因で、体のあちこちが痛むものに用いられてきた漢方薬のひとつです。背中の冷え、胸や背部の痛み、せきをすると脇の下が引きつり、痛みを訴える時に用いるとよいといわれています。また、手足や肩、腰の痛みなどにも用いられます。
・・・・・・・・・・・・・・・
痰湿による痛みに使う薬。つまり身体の水分代謝異常に伴う痛みを止める薬です。
例えば低気圧に伴う肩こりや頭痛、関節痛などの身体の痛みにしばしば用いられます。
痰湿が溜まっていると考えるので、浮腫みや腫れがある場合にも良く使われているかもしれません。
しかし、残念ながら効きません。
理由は単純で、そういう薬ではないからです。
・
コタローさんに聞いたのですが、
最初、本方が出された時は比較的よく売れたそうです。
痛みに対する新たな手段として売れたのでしょう。
しかし続かなかった。
今ではもう、あまり売れなくなってしまったのだそうです。
だからといっては何ですが、今回はこの処方の使い方を具体的に解説したいと思います。
無くなってしまうには惜しい。
西洋医学的治療ではなかなか手が届きにくいある患者さんに、
この薬を必要とされる方が、一定数はいらっしゃるからです。
売れないのは効かないからです。
効かないのは、使い方が間違えているからです。
そして効かせるように使うのが臨床家のつとめ。
この薬があまり使われないのは、この処方にも、コタローさんにも、何の責任もありません。
ちなみに、本方の解説として
「湿と痰」が経絡(けいらく:気血が流れる通路)をふさいでしまうと、気のエネルギーと血液の流れが悪くなり、重だるい・冷える・痛むといった症状が現れる
という解説が一般的ですが、
この考え方は一切忘れてください。
概念を概念のまま分からせようとしてくる、
そういう漢方解説の悪癖、その典型例だからです。
・
・
・
《note》清湿化痰湯ってどういう薬か分かりますか?

・
■病名別解説:「首・肩・腕の痛み・しびれ(五十肩・頚椎症・頸椎椎間板ヘルニアなど)」

漢方坂本/坂本壮一郎|note