漢方坂本/坂本壮一郎@note
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マツホドの菌核、茯苓。
地中に伸びる松の根、そこにくっついている塊状のキノコの仲間。
なぜ効果が出るのか、未だに科学でその薬能を掴み切れていない不思議な生薬です。
にもかかわらず使用頻度がとても高い。当薬局で最も多く使う生薬がこの茯苓です。
常用さている生薬なのに、その効果の根拠がベールに包まれている。
漢方ではそういう生薬が沢山あります。
そして茯苓はその最たる者の一つと言えるでしょう。
それ故に、茯苓をどう理解するのかは、漢方家それぞれの想像力・腕の良し悪しに直接かかわってきます。
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基本的には「利水効果」で知られる生薬です。
身体から余分な「水」を除く薬です。
例えば五苓散や当帰芍薬散などの浮腫みに使われる処方に内包されています。
漢方の教科書を見れば、必ず「利水薬」と解説されています。
しかしながら漢方治療を行う先生方であれば、自然とこう考えるようになります。
茯苓は単なる利水薬ではない。
臨床を通してその薬能を想像していくうちに、必ずそう考えるようになります。
なぜならば、そう考えなければ辻褄が合わないからです。
漢方の聖典『傷寒論』、そこには一見利水とは関係のない病態であっても茯苓が使われています。
この矛盾、つまり基礎学習との矛盾、古典との矛盾、さらに臨床との矛盾は、
漢方家をどんどん混乱させていきます。茯苓をどう理解したら良いのか、考えれば考えるほど分からなくなります。
しかしその矛盾こそが大切です。混乱することで醸成されるからです。
そして、いつか必ず一本の線で繋がる瞬間がくる。
そうやって茯苓の理解が培われていきます。
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科学で証明できないということは、すなわち想像するしかないということです。
そして曖昧な想像ではなく正しく想像する、それには大変な時間と苦労とを要します。
その先に見えてくる的確な想像力をもって、積み上げられてきたのが漢方です。
そこに漢方の面白さもまたあります。
積み上げらえた回答は、人によって違います。
感性も経験も人によって全く違うからです。
しかし別々の経験、別々の考え方で形成されたのにもかかわらず、その解答に重なる部分がある。
そういう感動を通して漢方の知識は積み重なっていきます。
今回お伝えする内容は、あくまで私が積み重ねた「茯苓」の話。
同じように茯苓について考え、苦しんできた方にこそ読んで頂きたい。
独自の解答ではありますが、どこかに通じる部分があるのではないでしょうか。
そしてそうであったら、とても嬉しいです。
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【漢薬小冊子】茯苓(ぶくりょう)

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