漢方坂本は、今日・明日とお休みをいただいております。
さんざん言っていることですが私は出不精で、
休日といえば、もっぱら家族とゆっくり過ごしています。
しかも最近、お萩(おはぎ)という家族(オスねこ)が増えましたので、
遠くに出かける理由など、何一つなくなりました。
こうしてコラムを書いていると、
さらさらとした猫のしっぽが足に絡まります。
床が冷えるかな。クーラーのかけ過ぎに注意しないと。
おかげさまで、穏やかな休日を過ごしております。
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お萩の話を少々。
怪我をして我が家に飛び込んできたお萩は、
そのまま私達の家族となり、順調に傷の回復を見せております。
そして獣医の先生の勧めのもと、先日、去勢手術を済ませました。
その時同時に行った検査の結果、FIV抗体が検出。
猫免疫不全ウイルス感染症。
おそらく同居前、野良猫同士の喧嘩によって罹患したようです。
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怪我をしていた時点で、何らかの病にかかっている可能性は感じておりました。
ただ、可能性を感じるのと、実際にそうだと分かるのとでは全然違いました。
かなり動揺しました。
獣医の先生曰く、今の時点で保護されたことが、不幸中の幸いだったとのこと。
今はすでに急性期を過ぎ、無症候期に入っていて苦しむ様子はありません。
ただし、かなりはっきりとした陽性反応が出ていたようです。
もしかしたら、進行が早いかもと。この元気な様子が、いつまで続いてくれるのでしょうか。
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ただ、
自分でも少し驚くのですが、
この心配は、すぐに覚悟に変わりました。
胸を締め付ける思いは当然あるものの、
上等だ。自分に出来ることをする、と。
力むわけでもなもなく、がむしゃらになるわけでもなく、
ただ、すぐにこの病を調べ、するべきことをしようと気持ちが固まりました。
そうできたのは、おそらく今までお会いしてきた患者さまが、私に教えてきてくれたからです。
当薬局にお越しになられる患者さまは、誰だって前を向いておられます。
治療を諦めている方は、誰一人としてご来局されていません。
当薬局の入り口をまたいでこられたことこそが、自らの病に勝とうとしている証拠だからです。
改善へと導くためには、そういう気持ちが大切なんだと、
今までたくさんの患者さまから教えていただきました。
どうやら、その経験は私の芯にちゃんと染み込んでいたようです。
お萩にそれを、確認させてもらえました。
さて、どうするか。
猫と人、おそらく根は一緒なのではないかなと。
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私には動物を治療した経験があまりありません。
かつ有効な治療法がない病。進行を防ぐ自信は全くありません。
ただ、お萩さん、あなた幸運だぞと。
よくぞ我が家に飛び込んだ。端くれではあるものの、この家の主は医療者です。
一年でも長く、一緒にいよう。
家にある漢方をクンクンと匂って、噛んだりするお萩。
この子ならいけるかも知れない。
選んだ漢方をバクっと食べました。
嬉しい。まずは初手、成功です。
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