最近、この人好きだなーと思う人がいます。
田原総一朗さん。
知っていますかね。若い方はあまり知らないかもしれません。
今更ですが、この人が好きです。
田原さんの発言というよりも、そのお人柄が。
1987年から続く討論番組「朝まで生テレビ」。
この番組の司会者として有名です。
私は夜寝たいので、深夜の番組は見ません。
だから好きになったきっかけはこの番組ではなく、
ゲストとして招かれた他の番組でした。
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確かもう御年90歳くらいになられているんじゃないかな。
未だにパワフルで、声もとても大きい。
元気の塊といった様子です。若い時よりも元気かも。
そして長く討論番組をやられたいたのにも関わらず、
この人がいると、全然話が進みません。
例えば、その番組での一コマ。
コメンテイター:「○○したほうが良いと思います」
田原さん:「それじゃあだめじゃないか!」
他のコメンテイター:「どうしてですか?」
田原さん:「なんでだ?!」
なんでだって。。。笑
理由を答えず、むしろその理由を相手に言わせようとする田原さん。
何とも言えない迷討論。正直、とても愛らしいです。
否定しつつ相手の言葉を促すテクニックなのか、
もしくはただ否定したかっただけなのか。
どちらにしても、大変愛らしい。
元気なおじいちゃんの言葉には、根拠のない自信がみなぎっています。
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田原総一朗さんは言います。
私は日本を愛している、このままじゃいけない、どうにかしなきゃいけない、と。
だから君たち、若い人たちが頑張らなきゃいけない、と。
元気なおじいちゃんは、未来に希望を持っています。
しかし、じゃあ今の立場をお捨てになって、
若い人に席をゆずったらどうですか?、と問われると、
「嫌だ!!」と言う。
私はまだ求められている!と。自身の引退を全力で否定しています。
田原さんがいると、冷静に考えて討論が進まないし、
田原さん以上に上手に司会を出来る若い方は、沢山いらっしゃると思うんですね。
その方たちが前線で頑張っていくためにも、引退された方がいいのかなぁ。。と。
でも絶対にやめません。
理屈抜きで、多分やめたくないんだと思います。
でも、人間ってそういうものだろうなと思うのです。
老害老害と、すぐに騒がれてしまう世の中ですが、
だとしても、元気でいたい、必要とされていたいというのは、生きていく上で当たり前のことです。
ただ、世代交代という意味では、
難しい問題だと思います。
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今、世代交代というワードがしきりに注目されています。
若い人たちが上にいけない、
若い人たちがいなくてお店を閉めるしかない。
上と下とで起こる不具合や摩擦。
それが浮き彫りになっている時代なのかも知れません。
私も父との世代交代を経験しました。
難しかったです。多分、互いに難しかった。
でもいつからか、父は相談を控え、私に譲るようになりました。
その時はまだ、父は十分に元気だったと思います。
あの時の父の心情は、どうだったのだろう。
想像するしかありませんが、少なからず我慢はしていたと思います。
そして結局、父は他界してしまうのですが、
そうして初めて、私は父という人を客観的に観れるようになりました。
私にとって、とても怖い人でしたが、
不思議とその怖さよりも、凄さの方が記憶に残っています。
凄いことをしてきた人なんだなと。
今は、感謝という想いが、
父への気持ちとして、最も大きいと思います。
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父を超えることは難しいよと、
以前、ある人に言われたことがあります。
父を超えること、確かに難しいと思います。
しかし今の私には、そういう考えが全くありません。
引き継ぐ・世襲するとは、
先代を超えることではないと思います。
例え先代が身を引いても、他界したとしても、
一緒に作っているという感覚が、私にはあるからです。
今、私がこの仕事を続けていられるのは、
先代が作った基盤があるから。
そのやり方の一部を、私は確かに変えましたが、
変えなかったことも、たくさんあります。
超えるのではなく、一緒に作り続けている。
世代交代とは、そういうことなのではないでしょうか。
代を譲る人は、それを継承していくために譲る。
そして代を受ける人は、それを発展させるために受ける。
目的や方向性は、常に同じところを向いている。
もしそういう世代交代なのであれば、両者、かならず腑に落ちるタイミングがあるはずです。
私は基本的に奪い合いで良いと思っています。
しかし、互いの敬意と、認め合う能力、
そして同一方向を向いている感覚と、そこに少しの愛嬌があれば、
きっと上手くいくと思うのです。
それが難しいことなのも、分かってはいます。
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田原総一朗さんなら、きっと若い人が愛着と敬意とをもって、
その席を奪ってくれるでしょう。
だからずっと元気で頑張って欲しいなと。
あとは、ちょっとした運。
田原さんも後世から、
感謝される存在になって欲しいです。
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