名前なんてね

2021年05月05日

漢方坂本コラム

ゴールデンウィーク。皆さま、いかがお過ごしでしたか?

毎年いつもはぐっと気温が上がるゴールデンウィーク。ですが夜はけっこう冷え込みましたね。風が身を切るように冷たい日もありました。衣替えとコタツをしまうタイミングとがなかなか掴めず結局何もしなかったので良く休めた祝日でした。

猫の話をします。以前のコラムで登場した猫、我が家に顔を出すようになった野良猫の話です。

彼女はもう躊躇なく我が家に侵入してくるようになりました。そこで名前をつけました。プーマと迷いましたがリーボックと名付けました。

彼女には多分名前がたくさんあります。近所の家々に顔を出してはご飯をもらったりナデてもらったり植木におしっこをひっかけたりしているはずです。だから絶対にかぶらない名前をつけました。結局彼女にとっては、自分がなんて呼ばれているのかなんてどうでも良いことのはずです。

どう呼ばれたって良い。そういう生き方、我々にはなかなかできません。どうしても何かにしがみつきたくなるというか。少なからず皆そういう部分があると思います。

例えば私、もし今すぐ名前を変えろと言われたら少々困ります。困りますというかとても面倒くさいです。免許を書き換えたり役所に行ったりしなきゃいけません。あと名字みょうじが変わるのも困ります。面倒くさいではなく、これは困ります。先代から家業を受け継いでいるからだと思います。結局私は自分にとってのナンバーリングにしがみつきながら生きているということかも知れません。

そういう状況、決して嫌ではありません。自分が自分としてちゃんと生きているという心持ちにさせてもらっているという意味で、固有の名前があることはそれイコール安心でもあります。でも憧れるよなぁ・・名前なんてどうでも良い人生というものを。彼女のように強がるでもなく虚勢をはるでもなくただ本当にどう呼ばれようと構わないという生き様です。

近所の家々に顔を出してご飯をもらい、ナデてもらったり、植木におしっこをひっかけたりしてみたい。そしてリーボックと呼ばれながら大きくあくびをしてみたい。斎藤洋さんって、知ってますか?。彼もきっと同じことを考えたんだろうなぁと。

「漢方坂本」は、明日から通常通り営業いたします。



※斎藤洋(さいとうひろし)・・・児童文学作品『ルドルフとイッパイアッテナ』の作者。

【この記事の著者】店主:坂本壮一郎のプロフィールはこちら

※コラムの内容は著者の経験や多くの先生方から知り得た知識を基にしております。医学として高いエビデンスが保証されているわけではございませんので、あくまで一つの見解としてお役立てください。

※当店は漢方相談・漢方薬販売を行う薬局であり、病院・診療所ではございません。コラムにおいて「治療・漢方治療・改善」といった言葉を使用しておりますが、漢方医学を説明するための便宜上の使用であることを補足させていただきます。