大切なことを伝えたい、
正確に伝えることは難しいけど、伝えたい・伝えなければいけないという時、
人はそれを、絵や映像や音楽や本で伝えてきました。
目で見える色や、頭で解釈できる言葉、耳で聞こえる音などで作られたこれらの作品は、
私たちから見ると、色や言葉、音という情報でしかありません。
しかし創作者本人が本当に伝えたかったことは、その裏にあるイメージです。
私たちから見える色や言葉は、そのイメージを伝えるためのツールにしか過ぎません。
創作者は自身のイメージを伝えるために、それらを使って表現しただけなのです。
『傷寒論』や『金匱要略』『黄帝内経』など、
漢方における古典においても然り。
古典を読む、読めている、ということは
文字を認識することではなく、創作者のイメージを理解するということです。
感じる力。
師匠はこの作業を可能にするための能力を、こう呼びます。
(続く・・・)