昨日、またお一人、当薬局での治療を卒業されました。
起立性調節障害にて体調を崩されていた男の子。
頭痛などの諸症状がほぼ消失し、朝の起床にも全く問題が無くなりました。
安心しました。比較的短期間にて回復されたこともまた、とても嬉しかったです。
「もう大丈夫ですよ」、そう言って治療を終了できた時、
私はいつも、初めてご来局された時のことを思い出します。
初めてお会いした患者さまとそのお母さまは、とても不安な面持ちでした。
それまで行っていた西洋医学的治療では芳しい効果があがらず、
そのためメンタルに原因があるのではないかと、疑われていたそうです。
私はメンタルの治療など一切行わなかった。
明らかにお体に不調があったからです。
こういう経験を重ねていると、どうしても思ってしまいます。
何かにつけて病を、「心」に結び付け過ぎなのではないかと。
心の病というのは確かにあって、
その治療が患者さまを救うことも、沢山あることは事実です。
そして心の病とその構造は、未だに分からないことが多い。
だからこそ「その可能性がある」という理由で、心の病と指摘されやすいのかも知れません。
しかし慎重になりたい。
患者さまの不安を考えれば、我々治療者こそが慎重になりたい。
西洋医学にて治療が難しくても、この日本には鍼灸や漢方など、様々な病の捉え方があります。
それに生活の養生を見直すという指摘もある。
心の病と指摘する前に、探るべき可能性は沢山あると思うのです。