毎年恒例・恐怖の年末

2024年12月25日

漢方坂本コラム

いよいよ今年も残りわずかとなりました。

やはり12月はあっという間ですね。

今まさに年末。用事が立て込み、バタバタと忙しくされている方も多いと思います。

毎年恒例のことではありますが、

この時期私はずっと、「年末・年始、気を付けて!」と患者さまに言い続けています。

必ず何人かいらっしゃるのです。

年が明けて戻ってきたら「どうしたんですか1?」とばかりに体調を崩されている方が。

年末・年始のあるあるです。この時期は、体にとって大変リスクの高い時期なのです。

毎年言っていることですので、今年はさらっとお話します。

皮膚も、痛みも、消化器も、自律神経も、

すべて年末に悪化する人が激増します。

その原因の多くは、バタバタとした忙しさに埋没してしまう生活習慣です。

食事と睡眠。

仕事が遅くまでかかり、夕食が遅くなってしまう。

忘年会や新年会、外食の機会が増えて酒や油ものの飲食が増えてしまう。

クリスマスやお正月もありますので、ケーキやチョコレートなどの甘いものを食べる機会も多くなります。

守ってきた今まで通りの食養生が守れなくなることで、体調は一気に悪化します。

また寝不足も大敵です。睡眠が削られると、体の疲労が蓄積するだけでなく自律神経も乱れていきます。

睡眠不足により胃腸が疲れていくと最悪です。さまざまな症状が悪化していきます。

私の経験上、ちゃんと毎日気を付けていた人でさえも、養生を守りにくくなる難しさが年末にはあります。

だから私は年末が怖い。どうか良い体調のままで、年末年始を越えて欲しいのです。

特に気を付けていただきたいのが、今現在、調子が良い人たちです。

やっと辛い症状から解放されて、治療効果を実感されている人たちこそ要注意です。

なぜならば、油断してしまうからです。今調子が良い人ほど、年始に驚くほど体調を悪くさせてしまうものです。

お気持ちは大変良く分かるのですが、今こそ養生を気を付けるべき時です。

そう理解しながらもう少しだけ、ご自身の生活を引き締めていきましょう。

そして今年の冬は、やはり少しおかしい気がします。

現在、強い低気圧と寒波が、断続的に打ち寄せてきています。

関東は晴れてはいますが、その北側、東北や日本海側に打ち寄せています。

そして重い低気圧であるため、晴れている関東や関西の方にも自律神経への影響が出ています。

頭痛やめまい、耳鳴りや不眠、動悸や息苦しさや不安感・イライラなど。

ここ数日、当薬局でも体調が悪くなったという不安・心配の問い合わせが増えています。

本来ならば、毎年この時期はもう少し天気が安定していた気がします。

近年の天候の乱れは、やはり冬であっても消えることなく継続しているのでしょう。

来たる2025年。

新年を良い状態で始めるためには、当然ながら本年の最後を有終の美で飾らなければなりません。

天候は仕方ない側面もありますが、

だからこそ生活の中で気を付ける所をちゃんと守り続ければ、必ずまた落ち着いてきます。

一年の終わりにテンションをあげたくなる気持ちをグッとこらえて、

今年は粛々と新年を迎える。来年、楽しい年末を迎えられるために。

ご自身の体と対話をする年末を、是非お過ごしください。



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※コラムの内容は著者の経験や多くの先生方から知り得た知識を基にしております。医学として高いエビデンスが保証されているわけではございませんので、あくまで一つの見解としてお役立てください。また当店は漢方相談を専門とした薬局であり、病院・診療所とは異なりますことを補足させていただきます。