漢方学習のために大切な「本を読む」ということ。

星の数ほどの沢山の書籍がある中で、

実は良い本と、そうでもない本というのが実際にあります。

手あたり次第、端から読んでいくことが先ず重要であることは確かなのですが、

なるべくならば「良い本」にたくさん出会いたいものです。

そこで私自身が「良い本」だと思ったものをここでご紹介していこうと思ったのですが、

思い止まりました。何か違うなと。

これは良い本ですよと、ここで私が紹介したところで、

それはあくまで「私にとって」ということにしか過ぎません。

本当は自分で「良い・そうでもない」を判別できるようになった方が良いと思います。

そこで、その鑑別点を述べてみたいと思うのですが、

前提として「臨床を志す方にとって良い本」という点を強調しておきます。

臨床家から見て良い本とは、

筆者が文章の先に「人」を見ている本です。

良い本は、かならずその筆者が文章の先に「人」を見ています。

人とは患者さんです。何を解説しているにしても、その先に患者さんを見ているかどうかで、本の良し悪しが分かれます。

処方を解説するにしても、理論を説くにしても、

病態を説明するにしても、歴史を書くにしても、

良い本を記す筆者は、実際に患者さんを見ているという片鱗を滲ませた文章を必ず書くものです。

理を説くのに誰かの理を用いる。そういう「思弁的」な文章では、人から離れるばかりです。

この理屈は、漢方のあらゆる書物に通用すると思いますので、

もし現在読んでいる本があれば、そういう視点で読み返してみるのも面白いと思います。