漢方治療の心得 2

昔、父がまだいたころ、

患者さまにご対応し、漢方薬をお出しした私に対して、

父は必ず、「何を出した?」と聞いた。

「〇〇湯だよ」と答えると、

その後、父は必ずこう続けた。「他にはどの処方が頭に浮かんだ?」と。

治療に原則があるならば、それは回答が一つでは足りない、ということである。

その時お出しする薬方は一つでも良い。

しかし、治療においては出した薬方が必ず効果を発揮するという保証はどこにもない。

どんなに出した薬方に自信があったとしても、

二の手、三の手を、初手の段階で用意できているかどうか。

治療得手の先生方ならば、必ずやっていることである。

学校のテストであれば、複数個解答を書けば、点数はもらえない。

しかし実際の治療においては違う。

解答を複数個用意しておくことが、正解を導くための条件になる。




漢方治療の心得 1
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