シンプルに考える、ということ。
臨床において実際に効果を発揮するために、非常に大切なことだと感じています。
「ここがこうだから、この処方を使えば治るよね」
これくらいシンプルに考えた時が一番うまくいきます。
五行(ごぎょう)だの五臓(ごぞう)だのと、理屈をこねくり回せば回すほど、見えなくなります。
すなわち効かなくなる。だから私は患者さまの前でいろいろ考え始めたら「まずいな」と思うようにしています。
効くときの思考はいたってシンプルです。
正解に向かって、一本の線が自然と引ける感じです。
そして、そうできた時に頭にあった理論が本物です。
八綱だの五臓だのは、そのあと再現性を求める時に後付けすれば良いのです。
シンプルに考えられた時、その思考に感じる印象は「美しさ」です。
そしてその思考から導き出された処方もまた「美しい」と感じます。
であるならば、この「美しさ」を追いかけるべきです。
美しく考えられているか、美しい処方を作れているか、この感覚を追いかけるようになると臨床の成績が安定し始めます。
私は「美しさ」と表現しましたが、先生によってはまた他の表現をされるかも知れません。
ただし、シンプルだということは共通だと思います。
漢方の知識を詰め込んだあとは、座学の段階でなるべくそれをシンプルまとめておくと良いです。
一行で云う。一言で云う。そういう練習をしておくと良いです。
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