漢方治療の心得 12 〜素養と教養〜

2020年02月28日

漢方坂本コラム

何でもそうですが、

人間が歴史的に行ってきた文化活動には必ず理由があります。

あるものが流行すれば、必ずそれを検証する行為が生まれ、

それによって反作用的活動が起こり、

そして新たなイノベーションが生まれる。

その繰り返しの中で変化してきたものが則ち歴史であり、

我々が直面している現状そのものです。

この流れがもし正しいとするならば、

次世代の流行を、新たなイノベーションを作り出す人には、ある条件が必要です。

歴史を知っていること。

今まで行われてきた文化活動の流れを熟知していなければ、

今行っていることの意味も、次の時代に必要なものも、

決して見えてこないと思います。

漢方のカの字も知らない私が、初めて漢方の勉強を始めた時、

まず読まされたもの。それが歴史の本でした。

当時はなぜ歴史なんだ?と思ったし、

早く処方の使い方や病気の見立て方を教えてくれよと、

そう素人ながらに思った記憶があります。

しかし今となれば、

まず歴史を学んでいて良かったと思う。

素養・教養とは良くいうけれど、

これが無ければ学を深めることも出来ません。

そして歴史を知らないで物事を語ると、

多くのケースでそれは見抜かれます。

私もまだまだ浅学の身。

歴史への敬意が足りているのか、自問自答の日々です。



漢方治療の心得

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※コラムの内容は著者の経験や多くの先生方から知り得た知識を基にしております。医学として高いエビデンスが保証されているわけではございませんので、あくまで一つの見解としてお役立てください。

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