【はじめに】
いかに安定した血流を維持し続けるか。
先のコラムでも説明しました。これが養生の根幹になります。
人が病を得ないために、最も大切にするべきポイントであり、
個々に与えられたポテンシャル、その生命活動を十全に発揮するための条件になります。
これは年齢・性別にかかわりません。
またすでに病を得ている方では、特に重要であると考えます。
人体は血が流れているから生き、その流れが止まれば死ぬ。
安定した血流こそが命であり、そうできることこそが、
万人に共通した養生であると考えます。
そして、それを発揮するために必要になるのが、
「運動」と「食事」と「睡眠」。
養生の基本の三本柱です。
今回のコラムでは、何故これらが大切であり、基本になるのか、
その要点だけを端的に、ご説明していきます。
養生の基本「運動」
血流の維持・安定が健康の維持に不可欠なのであれば、
まず大切にしなければいけないのが適度な運動です。
すなわち筋肉を充分に活動させる生活を心がけること。
座りっぱなし、寝っぱなしの暮らしは、容易に人体の血流を弱めます。
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身体の血流を促す最大の動力は「筋肉」です。
そうであるが故に、人体は筋肉を動かさなければ生きていくことができません。
体は年齢とともにどうしても血流を弱めていきますが、
その理由の一つは、年を取ることで必ず筋肉が衰えていくからです。
人体には骨格筋・平滑筋・心筋という三種類の筋肉があります。
このうち自分の意志で動かすことの出来る骨格筋、これをちゃんと活動させる日々を送ることが大切です。
臀部や太腿、ふくらはぎなど下半身には、特に大きな骨格筋があります。
歩く習慣をつけるだけでも違います。長時間座っている仕事などは、自分で思っている以上に骨格筋を弱めていきます。
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運動は、血流を良くする際に最も手っ取り早い方法です。
寒い日に体が冷えていても、ジョギングをするだけで体はポカポカと暖かくなります。
つまり筋肉活動は、血流に即座に影響を与えることができます。
体を動かすということは、血流の促すための確実かつ効率的な方法です。
ただし気を付けなければいけない点もあります。
まず一時的は運動は血流を促すことが出来ても、あくまで一時的であるということです。
習慣化することが大切です。それによってはじめて血流は安定へと向かいます。
また筋肉は疲労させ過ぎても逆に弱めてしまうことがあります。
無理は禁物です。ご自身の筋力に合った方法を見つけることが大切です。
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人類は導引術やヨガ・武術など、体を動かすことで健康を維持する手法を多く編み出してきました。
これらはすべて、筋肉を動かすことによる血流への影響を利用していると考えられます。
ただしこれだけ多くの種類があるということは、裏を返せばそれだけ奥が深いということです。
間違えたやり方を行ってしまうと、筋肉を傷つけて、逆に健康を損なってしまう場合もあります。
まずは無理をせず、筋肉を鍛えるよりも、「動かす」という意識をもってください。
そして徐々にその強度を強めていく。できれば専門の方に教えていただくことをお勧めします。
そしてそれを習慣化すること。
正しい方法で行えば、筋肉は絶対に裏切りません。
毎日の努力が効果として表れやすいのが運動です。
体調が悪い、またはお年を召している方ほど、時間をかけながら、ゆっくりと、続けていくことが大切です。
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続き↓
養生の基本 3 ~食事~
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