【漢方処方解説】を記載するにあたって

2020年03月03日

漢方坂本コラム

<【漢方処方解説】を記載するにあたって>

漢方という謎の多い治療手法。その謎が少しでも明らかになればと思い、これまで色々なシリーズを書いてきました。

漢方治療の基本をご説明するべく始めた「〇漢方治療の実際シリーズ」。
各病の漢方治療をより詳細に解説するべく始めた「□病名別コラムシリーズ」。
そして患者さまとの漢方治療をより具体的に感じて頂くため始めた「■症例シリーズ」。
漢方をこれから志す方にとっても有意義な内容を届けたいという思いから「漢方治療の心得シリーズ」も書いてきました。

そこで最近思ったのですが、漢方処方についても書かなければだめだなと思いました。

保険適用の功績により比較的身近になった漢方処方。皆さんにとって漢方というイメージの大多数は、おそらく葛根湯などの処方名なのではないでしょうか。そこでこれからは漢方処方解説をシリーズとして始めてみようと思います。どこまで書いていけるか分かりませんが、できるだけ有名な処方をピックアップして、少しづつ解説していこうと思っています。

各漢方処方は様々なサイトや本にてすでに細かく解説されています。そのためここでは少し異なる視点から解説してみようかなと考えています。

漢方薬は基本的な効能こそあるものの、その使い方や実際の効果発現には基礎では語れない深い部分が多く内在されています。そのため漢方処方は各先生方によって使い方が異なり、何が正解なのかをハッキリとは言いにくいという側面がどうしても出てきます。

どうしたら正確に伝わるのかなと色々と考えてみたところ、結局は自分自身の経験を語るしかない、と思い至りました。そこで「この処方は基本的にはこういう処方です」という説明は他に譲るとして、ここでは「治療者からみた本当の所」という視点をもって漢方処方を解説してみたいと思います。

基礎的な説明はあくまで他に譲ります。ですのであまり丁寧な説明ではないかもしれません。そして、あくまで私の経験によるものという点を強調しておきます。この病にはそれほど効かないなぁ・・ともし私が言っていたとしても、それは即ち私の理解不足・力不足である可能性が当然あることもご承知おきください。

これからの漢方処方解説を通して、漢方の世界観を少しでも感じて頂けたら幸いです。

まず一回目は、

浮腫みを取る処方として有名な「五苓散(ごれいさん)」について解説致します。

公開は近日を予定しております。

【この記事の著者】店主:坂本壮一郎のプロフィールはこちら