あ、来るなこれ。

2021年06月03日

漢方坂本コラム

あ、来るなこれ。と、思いました。

先日、朝起きて如実にそう感じました。

これはもう確実にそうなってくるので、

そうなる前にお伝えしなければいけないことがあります。

これからの時期、確実に「風邪」が流行りだします

暖かくなるとともに、湿気をまとい出すこの時期。

そして日中暑いくらいだけど、夜と朝は冷え込む。そんな今の時期。

毎年毎年、必ずと言ってよいほど風邪をひく患者さまが増えてくるのです。

喉の痛みから始まる。そんな風邪が増えてくるのです。

不調を感じるのはだいたい朝です。

朝起きた時に、なんか喉が痛いな、そんな症状から始まります。

さらに日中暑くなってくると痛みがどんどん増してくる。

そして夜には激痛。つばを飲み込んだだけで激痛。熱が出てくる方もいます。

この風邪、本当にイヤラシイのです。

体がだるくなるのです。暑いしだるいし、もう何が何だか大変です。

葛根湯でも飲んで治そうかなと、そう思ってもだめなのです。

葛根湯があまり効かない。それだけでなく、通常使われる風邪薬があまり効いてくれません。

まず、今時期の風邪に効きやすい処方ですが、

銀翹散ぎんぎょうさん

喉の痛みに使われる漢方薬です。喉が痛いなと思った時、なるべく早く服用してください。

すぐに飲む。これが重要です。痛みが治まるまで飲む。間髪入れず、2.3時間ごとに飲んでも構わないかと。

比較的穏やかな薬ですので安心してください。効果がなければちょっと工夫が必要です。市販薬では多分無理かと。信頼できる漢方の先生がいれば、すぐ相談してください。

そして体のだるさを伴うならば。

藿香正気散かっこうしょうきさん

あまり聞いたことがないかも知れません。ただ漢方の種類が豊富なドラッグストアなら置いてあるかと。とても良い薬です。

他の風邪薬にはない効果があります。体の湿気を払ってくれるのです。

上手に効かせることが出来れば、比較的すぐ効きます。体があたたまってさっぱりと汗をかいてスッとだるさが取れる、というような効き方をしてくれます。

以前、お世話になっている鍼灸師の先生にお出しした時は、イライラが消えたとおっしゃっていました。

要するにさっぱりするのです。心身ともに軽くなるというか。逆に言えば、今時期の風邪は気持ちも乱れてくるということです。

次にこのような風邪を引かないための養生です。

寝る時の窓あけっぱなし。まずこれ、やめてください

夜間に体を冷やしてしまっているのです。そうすると朝起きた時、冷えた部分がだるいはずです。足とか。そして喉も痛くなります。夜間に冷気を浴びてしまっていることが原因です。

そして睡眠不足ですね。テキメンです。さらに水、飲みすぎ。これもだめです。胃腸が崩れると風邪をひきやすくなります。

水もそうですが、お酒もそう。暑くなってきて、ビールが美味しい季節ですね、わかります。

典型例を一つ。

仕事終わってビール飲んでそのまま寝て寒くて夜起きて布団かけなおしてまた寝て朝起きたら体がだるくて喉痛くてお腹が痛くて下痢しちゃったけどなんかスッキリ出なかった、という方。

風邪まっしぐらです。

患者さまの中でも一人か二人は、必ずこういう風邪の引き方をされるのです。本当に気をつけてください。

梅雨もそうですが、夏場でも多い風邪のひきかたです。

かなり不快感の強い風邪ですので、どうか皆さま、くれぐれもお気をつけくださいませ。



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