秋空と病

2019年10月04日

漢方坂本コラム

天が高い。

秋ですね。秋には「燥気」が天を埋めます。

内経(だいけい)と呼ばれる東洋医学の聖典にそう解説されている通り、初秋には晩夏の湿気を払う乾燥した風が空を舞います。

急激な湿気は体調を悪化させますが、急激な燥気もまた病を増悪させますので注意が必要です。

特に「鼻・咽・肌・大腸」に起こる病を持病にお持ちの方は要注意です。

例えば、鼻炎や副鼻腔炎、皮膚ではアトピー性皮膚炎、また大腸では便秘など。身近なものが結構多いと思います。


ここでこれらが悪化する理屈を、東洋医学的に少々解説してみます。

夏は発散の時期です。そのため身体は汗や便などを積極的に外に出そうと努めます。

しかし秋になるとこれが切り替わる。すなわち積極的にため込もうとするように身体が変化します。

そのため、副鼻腔には痰が溜まるようになり、肌は乾燥し始め、便は出にくくなります。

これらは身体の生理的な反応です。しかし持病のお持ちの方ではこれらの反応が体に負担をかけてしまいます。

秋空を心地良く過ごすためにも、もしお困りのことがありましたら、お気兼ねなくご相談ください。


参考記事
副鼻腔炎・蓄膿症・後鼻漏
アトピー性皮膚炎
便秘

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