花粉症の原因、花粉だけに非ず。

2022年03月22日

漢方坂本コラム

彼岸を迎えて暖かい日が続く中、

昨日、ここ山梨も桜の開花宣言が発表されました。

しかし本日は、非常に寒いです。

いわゆる寒の戻り。最高気温が10度を下回りました。

急激な冷え込みから体調を悪くされている方もいらっしゃるかと思います。

また、ここからまた急激に暖かくなることによって、体調を崩す方も出てくるかと思います。

でも多分、ここを越えれば落ち着いた春日和が続くはず。

一時的に体調不良が起きてもご心配なされぬよう、また必ず回復へと向かっていくはずです。

春といえば、換毛期ですね。

あ、ごめんなさい。猫の話です。

我が家のお萩(飼い猫)も、あちこちに冬毛を振り撒いております。

掃除のし甲斐がありますね。絨毯用ダイソンが、ここぞとばかりに唸り声を上げております。

猫が身繕いを始めるように、我々人間も身繕いを始める季節です。

衣類が変わるとか、衣替えをするとか、そういうこともまぁそうなのですが、

私が言いたいのは、それ以上に私達の体が変わるということ。

冬から春へと向かって、体がその働き方を変えるということです。

例えば皮膚。

私達の皮膚は、春になると密から疎へと変化していきます。

ギュッと閉まることで、冷たい外気を体内に入れないようにしていた冬。

そこから暖かくなるにしたがって、皮膚が開いて熱を外へと発散させる体に変わってきます。

そうして同時に、体の血流も外へ外へと向かいやすくなってきます。

内側にギュッと押し込めていた冬から、外方向へと徐々に血液を解き放っていくのです。

そしてもし急激に暖かくなると、その働きが勢い良く、強く起こります。

ギュッと締まっていた体が急激に解き放たれる感じ。

そうやって、血液が身体外部で渋滞(充血)を起こしやすくなります。

このコラムを見ていただいている方の中には、この時期花粉症に悩まれる方も多いと思います。

春になると鼻炎が起きて鼻がつまったり、目が痒くなってきたりします。

花粉症の原因は当たり前ですが花粉です。

なのですが、花粉の飛散量に関わらず、急激に暖かくなった時ほど花粉症は強く起こるものです。

これは、急激に暖かくなることで、身体外部に充血が起こりやすくなる点がかなり関与していると思います。

いつもだったら問題のない飛散量でも、身体が充血を起こしやすい状態を形成している故に鼻炎が起こる、ということです。

また雨の日のほうが花粉症がひどいという方もいらっしゃいます。

これもおそらく、身体外部に充血が起こりやすい状況を形成してしまうからです。

気圧が低くなる時というのは、気温が上昇する時と同じです。

身体を押さえつけていた気圧が解き放たれることで、血流を外へと向かわせて充血を起こしやすくなります。

私自身も、実は低気圧が近づいてくると鼻がつまりやすい人なのです。

先生今日鼻声だなと、感じたことのある患者さまも多いんじゃないかなと。

そうなんですごめんなさい。私も鼻炎持ちで、大体において天気が悪くなる時に起こるのです。

だから雨がちょっと怖い。電話越しでフガフガ言って聞き取りにくかったらごめんなさい。今日の甲府は天気が悪いんだなと、優しくスルーしていただければ幸いです。

でも一時期、もしかして猫の毛に反応してるのか!?と、かなり焦った時期がありました。

猫アレルギーだけは勘弁してほしかった。猫の匂いだけは、お願いだからこれからもかがせてほしかった。

だから人間ドックでアレルギー検査のオプションつけてわざわざ確認して。

そしたら問題なし。よし。というわけで他の理由を探っていたら雨だということに気が付きました。

だからお萩の換毛期でも私はへっちゃらなのです。ちょっと鼻がムズっとするけどこれは違って。雨だからです。

お萩の毛玉が溜まったらそれでボールを作ってお萩と遊ぶのです。

せっせとお萩のブラッシングをしていると、となりで妻がくしゅんとしている。

猫?と思ったけど、絶対否定するだろうな。

うん。といういうことで多分、妻のは花粉症でしょう。



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