記憶に残る映画はシーンで残る

2019年12月10日

漢方坂本コラム

今日は力を抜いて一本の映画のお話。

最初に言っておくと私は相当の映画オンチで最も好きな映画は「007」とか「デスペラード(バンデラスが出ているやつ)」とか言ってしまい友達にばかにされます。したがってその道に造詣がないのは自他ともに認めるところで皆さまに語るほどの知識はまったくもち合わせてはおりません。

そんな私ですが今まで動物しゃべる系の映画は見ると泣くので避けていましたがひょうんなことから最近「ベイブ(謙虚なブタが英語を話すやつ)」を見る機会がありワン・ツー立て続けに見てそれがまた良かった。

正直子供が見る映画だと思って今まで見ようとも思わなかった。見ても泣きはしなかったけれど意外に良い話で色々と考えさせられてしまった。特に全くの無音の中ベイブがひつじたちを引き連れて歩く最後のシーンはシュールで素晴らしかった。無音だから良かった。

結局記憶に残る映画はシーンで残る。「セブン」だったらケビン・スペイシーに銃口を向けたブラッド・ピットが一瞬涙をこらえるあのシーンだし、「パルプフィクション」ならトラボルタとブルースがにらみ合うシーンが一番良い。「007」なら何故入れる?と毎回言いたくなるオープニングのダサい挿入歌だし、「デスペラード」ならバンデラスのレッツ・プレイの一言で満足である。そして「ベイブ」なら無音の中静かにひつじたちを誘導するあのシーン、私の中でベイブといえばあのシーンだと登録されました。

結論を言えばやはりベイブは子供に見せたい。今までの話の明るさをすべて放り投げるあの無音と違和感とを子供にこそ感じて欲しい。きっと記憶に残ると思う。私はあのシーン息をすることすらできなかった。

おしまい。

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