漢方坂本コラム

東洋医学の科学化

東洋医学は「正しい想像性」により作られた医学です。科学を知らないからこそ、発揮できたとてつもない発想。情報が増えた私たちだからこそ、想像し得ないアイデア。そういう「想像性」こそが漢方の核心。だから私は、もし漢方の科学化を試みるのであれば、この想像性を理解し、想像力に敬意を払う人たちにこそ、行ってほしいのです。

漢方治療の経験談「産後の不調」を通して 2

東洋医学が生まれた漢の時代、その時からすでに、妊娠中・産後の病の治療方法が存在しています。その原典『金匱要略』に割かれた記載が二編に及ぶことからも、古の時代から、妊娠・出産・産後は女性にとって不調を生じやすい時期だと認識されていたことが分かります。産後の不調の多くは、改善することが可能です。

季節外れな湿気

急激に暑くなると、体にも大きな負担がかかってきます。自律神経です。動悸やフワーっと浮くようなめまい。息苦しさや過呼吸などのパニック障害。さらにイライラや不安・落ち着かなさなどの精神面での症状も、急激に高まる気温によって、どんどん誘発されてきます。実際にここ数週間、メンタルの不調を訴える方も増えてきました。

漢方とアート 10 ~デザインの危機~

漢方薬は「道具」です。人体に影響を与え、治癒へと導くための道具です。道具である以上は、必ずデザインされています。創作者の意図が、その構成に必ず介入しています。中国・漢代。未だ物資が豊かではなく、かつ薬が希少であった時代。その中で合理的・機能的な美しさを持つ薬を作り上げたのが、『傷寒論』の著者、聖医・張仲景です。

春の刺激

今年の3月4月と、明らかに悪化したなぁ、、、という病がいくつかあります。まずは消化器症状。胃痛や胃もたれ、下痢や便秘、食欲不振や吐き気など。そして特に悪化したのが、慢性膵炎(もしくはその疑いがある方)を患われている患者さまたちでした。膵臓に負担を持つ方の消化器症状は、急激な冷え込みにより悪化する傾向があります。

養生の基本 4 ~睡眠~

今回は特に血流を維持するためにどうして睡眠が大切なのかを、お話ししていきたいと思います。睡眠の大きな目的の一つは疲労の回復です。骨格筋は疲労しやすい筋肉であり、そのため毎日の睡眠がなければ同じ状態を保つことができません。つまり睡眠は、回復という力を発動する生命活動の基礎です。

■症例:鼻炎・血管運動性鼻炎

15歳の男子が、お母さまと一緒にご来局された。中学の頃から、鼻水が止まらなくなった。とにかく体が熱くなり、急激に鼻水が出て止まらなくなるという。急迫的な病態に表れる「煩躁」。熱を捨て、まずは病態をそう捉えてみる。そして煩躁には発生機序があり、石膏剤から始まり、茯苓四逆湯で終わる流れがある。

養生の基本 3 ~食事~

筋肉活動というと、運動のことばかりを考えがちですが、同時に大切なことがあります。それが「食事」です。そもそも舌から肛門までの消化管は、すべて消化管平滑筋という筋肉で構成されています。消化管平滑筋をいかに負担なく動かすか、そして順調な動きをいかに継続させるか、これが人体の血流安定の要になります。

養生の基本 2 ~運動~

血流の維持・安定が健康の維持に不可欠なのであれば、まず大切にしなければいけないのが適度な運動です。すなわち筋肉を充分に活動させる生活を心がけること。座りっぱなし、寝っぱなしの暮らしは、容易に人体の血流を弱めます。身体の血流を促す最大の動力は「筋肉」です。人体は筋肉を動かさなければ生きていくことができません。

漢方治療の心得 34 ~名医誕生の正体~

治療には合理的で整合性の取れた考え方が必要です。ただし、得てして正しい治療は、合理性や整合性だけで作り上げることはできません。理由はない、説明もできない、しかしそうだと直感的に思える視点が、時に必要です。それが核として、時に要素として、思考の中に組み込まれた時に、本当に正しい治療が行えるという実感が、私にはあります。