【漢薬小冊子】黄耆(おうぎ) 補気・利水・托膿たくのうの聖剤、黄耆。元気が無い人の疲労回復薬として、汗をかきやすい人への止汗薬として、また治りきらない化膿や傷口を治す皮膚治療薬として、古くから使われ続けてきた薬です。全く別の効能があるというよりは、ある一つの主とした効能が、様々な薬能を引き出していると考えられている印象があります。 2025年04月09日
【漢方処方解説】温経湯(うんけいとう) 婦人科の薬、温経湯。ただし当帰芍薬散や桂枝茯苓丸、加味逍遙散などと比べれば、認知度はそれほど高くはないでしょう。「虚弱なタイプの人」とか「比較的体力が低下した人」に使うという解説をよく目にします。しかしこれでは使い方が判然としませんし、何よりも正しくありません。 2025年04月03日
漢方治療の経験談「めまい治療」を通して 漢方治療において、めまいは比較的ありふれた症状です。古くは「目眩(もくげん)」と称され、すでに約2000年前の書物にその治療方法が記されています。めまいに効く漢方薬は沢山あります。苓桂朮甘湯・沢瀉湯・当帰芍薬散・半夏白朮天麻湯・真武湯などなど。問題は、これらの薬では治せないめまいが沢山あるということです。 2025年03月26日
不安と焦りとの勝負 どのような季節であれ、急激に天候が変化すれば自律神経は乱れやすくなります。ただし春の自律神経失調はちょっと特殊です。決まって、不安・ソワソワ・焦り・イライラが高まってくるのです。理由は急激に気温が上がること、そして急激に気圧が下がることとが交互に起こるから。この気圧と気温の急激なバウンドが自律神経に負担を強いるのです。 2025年03月18日
養生と我慢とストレスと 我慢は自分の体と向き合うことによって、コントロールすることが可能です。つまり我慢を飼いならす術(すべ)が、人間にはあるのです。私は多くの患者さまに、その方に必要な生活の養生をお願いしています。最初は強い我慢が必要なことであっても、それに慣れてしまえば勝ちです。その時はそれを我慢だとも感じなくなるはずです。 2025年03月13日
情報弱者という言葉を耳にすると 情報弱者という言葉を耳にすると、情報が無いことが問題なのではなく、情報が無いと幸せになれない状況、もしくは幸せではないと思ってしまうことの方が問題なのではないかと、私は感じてしまうのです。日々私たちが暮らしている生活の中に、いかに尊い物事が散りばめられているのか。そこにこそちゃんと実感を伴う幸せがあるのではないか。 2025年03月05日
【漢方処方解説】小青竜湯(しょうせいりゅうとう) 花粉症治療薬と言えば、小青竜湯。春になると手放せないという方もいらっしゃると思います。鼻炎治療薬として有名な処方ではありますが、決して鼻炎の特効薬というわけではありません。風邪に使ったり気管支喘息に使ったりと、比較的使われる場の多い漢方薬です。今回はこの処方を少しばかり深堀していきたいと思います。 2025年02月27日
春よ、ちょと待て 急激に気温が上昇する時に起こる症状は、少し独特です。ホットフラッシュやほてり、不眠などが強くなると同時に、肉体よりもまずメンタルにその兆候が表れやすいという印象があります。東洋医学では昔から良く言われていることです。春は「昇発」の季節。肝気が盛んになり、自律神経が乱れやすくなると。 2025年02月17日
□健康寿命を延ばす ~高齢化社会だからこそ知っておきたい漢方処方~ 60歳を過ぎれば、当然ではありますが体はどうしても衰えていきます。今の状態を来年も続けていけるようにするためには、食事・睡眠・適度な運動という基本的な養生はもちろんのことですが、より積極的に健康を維持できるようにするべく、今回は「ご高齢者の方々がこの先も体調を維持していけるようにするための漢方薬」をご紹介していきます。 2025年02月13日
JPCZ(ジェーピーシーゼット)って言うんですって 湿気った重い雲と低気圧の影響で、当薬局への問い合わせが増えています。頭痛やめまい・耳鳴り、まるで血の気の引くような立ち眩みや浮腫み、メニエールが悪化している人もいます。さらに身体のみならず、精神面にも強い影響が出ています。不安で居ても立っても居られない。良くなっていたパニック発作が再発してしまった方もいます。 2025年02月07日