漢方坂本コラム

■症例:便秘・顔のほてり

昨晩、排便しようとトイレに座り試みるも、いくら息んでもまったく出ない。まるで大きなカチコチの石が、肛門を塞いでいるようだった。お腹が張って苦しい。患者さまはそれを、「狂いそうになる便秘」だと表現された。漢方には、この症候に用いる名方がある。私は、『傷寒論(しょうかんろん)』の中に収載されている処方の適応を想起していた。

漢方の世界観

以前、映画好きの漢方の先生に勧められて、 「第三の男」という映画を借りて見たことがある。 かなり昔の映画で、確か1940...

財産

心から良かったと思える瞬間がある。 それがこの仕事をしている中で私が感じることのできる一番の財産だと思う。 今まで悩んで...

たまに書きたくなるとある日常

日曜日の朝。 コタツに入りながら眺める外の塀。 扇風機が置きっぱ。 片付けなきゃな。でも寒いからコタツから出ない。 先生...

■症例:小児喘息(咳喘息)

2週間前から咳が止まらない。風邪をひくと咳をこじらせるようになった。ただし熱は無く、夜になるとゼロゼロと咽を鳴らして咳が止まらないのだという。診断は「咳喘息」。最初に出した薬は4日分だった。4日後、ぐたっとした気力の無さが消え、元気が出てきた。そして食欲も増えて、咳の発作が無くなっていた。

流行と最先端

特に若い方に知っておいて欲しい、というか 感じていて欲しいことなのですが、 「流行」と「古典」とは別物ではありません。 ...

□脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア ~漢方薬で治りやすい坐骨神経痛の特徴~

現在、漢方薬における坐骨神経痛治療は、今までの手法に比べてその効果が飛躍的に良くなっているという実感があります。そしてそれと同時に、坐骨神経痛の中でも比較的治しやすいものとそうでないものとの差が分かるようになってきました。そこで今回のコラムでは、それぞれの状態についてご紹介していきたいと思います。

マチュピチュ

私が秘かに「マチュピチュ」と呼んでいる場所がある。 富士川町・十谷(じっこく)。 空気が薄いという標高でも無いし、 観光...

■症例:胃痛・胃もたれ

「胃が調子悪くて・・・」漢方にて不妊治療に成功した奥さまが、その旦那さまをつれてご来局された。三日前から、ずっと胃が痛むのだという。私は7日分の漢方薬を出した。求めたのは即効性だった。煎じるときの一工夫も伝えておいた。あとは漢方薬がどう効いてくれるのか、祈る気持ちで次の連絡をお待ちした。

「体質」という便利な言葉

漢方治療は「体質改善」ですよ、と良く言うけれど、「体質を改善する」って、何とも曖昧な表現です。「体質改善」とは、本当は「流れ」を変化させています。時に濁流の勢いを削ぎ、時に枯渇した流れを益し、ある病理という方向性に向かわんとするその勢いを調節しているのです。