漢方坂本コラム

恐怖の年末・祈りの年始

年末年始、さまざまなイベントが目白押しのこの時期、だからこそ体調を崩される方が、とても多くなります。その要因は様々ですが、大きく分けると3つ。頑張り過ぎ、食事の乱れ、そして寝不足です。メリハリをもって活動し、お休みを取ること。それが体が求めている「休み」です。体調が上向きの方ほど、年末年始はぜひとも気を付けてください。

漢方処方の本音

最近、漢方薬のCMがほんと多いなと思います。「ナイシトール」は防風通聖散、「ラックル顆粒」は牛車腎気丸です。漢方薬には市販薬に向くものと、そうでないものがあります。その辺りをちゃんと見極めて市販し、さらに要点を説明すること。それが出来れば、漢方薬は効かないと、言われることはないのではないかなと思うのです。

◆漢方治療概略:「頭痛」・後編

頭痛のみならず、月経にまつわる症状(下腹部痛、腰痛など)に対して手軽に服用できる漢方薬としては、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、抑肝散(よくかんさん)があります。また、緊張・興奮・高血圧に伴う頭痛には釣藤散(ちょうとうさん)、抑肝散(よくかんさん)が挙げられます。

◆漢方治療概略:「頭痛」・前編

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、これら2つの処方は、疲労によって起こる頭痛に使いやすい薬です。また、天気・気圧に左右される頭痛には呉茱萸湯(ごしゅゆとう)や五苓散(ごれいさん)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)が挙げられます。

ライフスタイルと漢方

ここ近年、ライフスタイルの中に「漢方」を取り入れる方が、増えてきているように感じます。お化粧品や整髪料の中にも、生薬配合というものはたくさん見受けられます。しかし、それらを単に利用することと、ライフスタイルに漢方を取り入れることとは、違うもののように、私は感じます。漢方には、もっと人の生活を豊かにする可能性がある。

霜月に想う

風邪がちらほらと流行り出しています。うがい・手洗いを含めた風邪の養生を、この時期ぜひとも徹底していきましょう。私達は、天候や外気、気圧や重力といった、巨大な虚空に包まれて生きています。そしてみんなが同じようにそれを感じ、それに支配されて生きている。私たちはみんな、地球とつながっています。

しもやけ予防と猫と毛布

しもやけを治していくためには、それ相応の治療が必要になります。例えば駆瘀血剤として有名な桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を服用したとしても、出来上がったしもやけはなかなか治りません。人は、百人いれば百通りの血流状態があります。そこで今回は、簡単にしもやけにならないための養生をお話ししておきます。

漢方治療の経験談「ニキビ・尋常性ざ瘡治療」を通して

ニキビ治療の本質は、薬物治療と生活改善との両立です。ニキビは皮膚の病ですが、からだ全体を診ながらより大きく、「病態の流れ」を把握しなければなりません。ニキビ治療で有名な十味敗毒湯や黄連解毒湯、荊芥連翹湯や清上防風湯などは、ニキビの特効薬ではなく、あくまでこの流れの中の一場面において使う薬です。

漢方治療の心得 31 ~有限の医学~

江戸の名医、和田東郭の名言。無駄の無い処方運用こそが、術を上達させるという口訣。漢方の聖典『傷寒論』。そこに収載されている処方は、すべてシンプルです。簡潔な処方を、的確に運用すること。今、私たちに求められることは当にこれで、それこそがおそらく、有限の資源である生薬の枯渇を回避するための正しい向き合い方です。

◇養生の実際・秋 ~夜間の冷え込みと悪化しやすい症状~

夏から秋へ。そんな気配が感じられる今日この頃。秋を気持ちよく過ごすためには、夜の間、いかに体を冷やさないかが重要です。今回のコラムでは、秋に起こりやすい体調不良「咽の痛み・風邪」「腹痛・下痢・便秘」「排尿障害・膀胱炎・間質性膀胱炎」「顔のほてり・酒さ・酒さ様皮膚炎」を取り上げます。
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