漢方坂本コラム

□蕁麻疹(じんましん)~なぜ繰り返すのか?漢方から紐解くその理由~

蕁麻疹(じんましん)は皮膚疾患の中でも非常に強い痒みを伴う不快感の強い病です。皮膚面に明確な膨疹が勢いよく発生し、さらに掻くと広範囲に広がっていきますので心配になる方も多いかと思います。しかし一過性のものであればそれほど心配はいりません。問題になるのは、一度治ってもすぐに繰り返してしまう蕁麻疹です。

いつもそこに置いてある音楽

最近、仕事の行き帰りに「森ゆに」さんの曲を聞いている。 以前、建築家の友人が、「音楽がうらやましい。鳴り始めた瞬間に、空...

漢方治療の心得 7 〜処方に依りかかる〜

薬方は私たちにとって大切な道具です。ただし私たちの本当の力は「的確な想像力」です。そしてその力により生み出した東洋医学的解釈にあります。正しい解釈を導き、それに基づくならば、なにも患者さまを治すものは薬でなくたっていい。「薬だけで治そうとするのは半人前」先代との臍(ほぞ)を噛む思い出とともに、私が大切にしている言葉です。

当たり前のこと

当然と言えば当然のことなのですが、 自分の中で「漢方」という仕事が当たり前になっています。 これ、決して良い意味でなくて...

□酒さ・赤ら顔 〜なぜ温度差でのぼせるのか?ほてり体質者の特徴〜

当薬局にてご相談の多い病である酒さ・赤ら顔。治療により症状が安定している方でも、決まって不安定になりやすい時期があります。冬のはじめや春、つまり季節の変わり目です。その理由にはいろいろな要因が考えられますが、自覚的に最もはっきりと感じられるきっかけは気温・室温の「寒暖差」です。

漢方治療の心得 6 〜一本の線〜

シンプルに考える、ということ。臨床において実際に効果を発揮するために、非常に大切なことだと感じています。「ここがこうだから、この処方を使えば治るよね」これくらいシンプルに考えた時が一番うまくいきます。五行(ごぎょう)だの五臓(ごぞう)だのと、理屈をこねくり回せば回すほど、見えなくなります。すなわち効かなくなる。

自分で作るお薬

最近「咳」でお悩みの患者さまが増えています。咽が痛みだし、そこから咳が起こって止まなくなるというパターンが非常に多いです。何か良い手立てはないのかぁ・・と思って近年見つけたのが「大根はちみつ」。これ、試してみてください。咽にとても良いです。ある程度の痛みであれば、これで治ります。本当です。非常に東洋医学的なレシピだと思います。

漢方とアート 3 〜普遍性〜

仮に芸術を「表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に作用し合うことで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動。」と定義するならば、私にとって漢方とは芸術そのものです。一つ一つの漢方処方(表現物)は、それを学び理解するたびに、私たち漢方家に感動を与えます。

○漢方治療の実際 〜漢方薬を試してみたい方へ・医療機関の選び方〜

漢方薬は様々な場所で扱われています。病院やドラックストア、漢方薬局など、たくさんの場所があるので迷うと思います。これらの薬店や医療機関は各々で扱える漢方薬も違いますし、漢方治療における専門性も異なってきます。自分はどこに行くべきか、そう迷われている方々のために、今回はその見極め方を解説してみたいと思います。

■症例:自律神経失調症

62歳、男性。五・六年前から血圧が高くなり、そこから急激なのぼせや火照りが顔面を襲うようになった。のぼせや火照り以外にも、動悸や耳鳴り・不眠。不定の陽火。漢方にはそんなカラダの極端な緊張状態を緩和させる薬がある。約五か月の服用で自信を取り戻した患者さまは、症状の消失とともに治療を完了した。