漢方坂本コラム

『岷山の隠士』

昭和後期の大家である山本巌先生は、数々の名著を残された漢方界の巨頭の一人である。私はある時期山本先生の著書を貪るように読み耽り、その中の一節から今までの自分を一変させる薫陶を受けた。臨床家とは何か、座学と実学の違いとは何か、多くのことを示唆する内容である。かなり長くなるが、この場を借りて是非紹介したいと思う。

継続すること

たまーに東京に行きます。休日に。買い物とか見に行きたい場所とか、目的はありますがぶらぶらと歩きます。毎回行くたびに景色が...

そろそろ1年

11月もあと半分。1年、あっという間ですね。HPをリニューアルしたのが今年の一月ですから、ブログを書き初めてそろそろ1年...

○漢方治療の実際 〜気や血・漢方特有の言葉に隠された落とし穴〜

東洋医学ではそれを説明する際に独特な用語が使われます。「気」や「血」、「陰・陽」といった用語は、漢方薬をお調べになる際に必ず目にする言葉ではないでしょうか。実際にこれらの概念は漢方治療を行う上で非常に大切な用語です。東洋医学正確なイメージの集積とも言えるこれらの概念を駆使することによって人体を理解し、病を治癒へと導いてきました。

風呂上がりにて

最近ヘビィな記事(分量的に)が多かったので、今日はお休みコラムです。ということで、今日は漢方の話はしないです。・10年前...

お母さんと男の子

先日来局された患者さま。小さな男の子とそのお母さん。お薬が出来上がるまでのお待ちの間に、お母さんが絵本を読んであげていま...

漢方治療の心得 4 〜臨床の現実〜

「腎虚(じんきょ)」による腰痛では八味地黄丸(はちみじおうがん)を使います。こう書かれている本があります。いろいろな本を読み進めていくと徐々に八味地黄丸の使い方が分かってきます。分かった気になります。そして八味地黄丸を腰痛に使う。しかし、全く効かない。これが臨床です。

■症例:更年期障害(酒さ鼻・ほてり)

50歳、女性。更年期障害のご相談である。閉経後、火照りが強く出はじめて、顔面が赤くなった。緊張すると動悸し、顔が火照って頭から汗をかくという。華奢な肢体に乾燥した肌と髪。理知的だが緊張をはらんだ口もと。桂枝加竜骨牡蛎湯では効かないと思った。そして同時に、ある処方が頭に浮かんだ。

漢方治療の心得 3 〜我慢と焦り〜

病であるならば、患者さまは必ず「我慢」されています。だからこそ治療者も同じように「我慢」しなければいけません。早く治してあげたい、一日でも早く症状を楽にさせてあげたい、そう願い努力しながらも、焦らず我慢すること。その姿勢こそが、結局は最短ルートでの治療を可能にします。

○漢方治療の実際 〜この漢方薬、本当に効果ある?と感じられている方へ〜

まず第一に漢方薬は、各先生方によって使い方が変わります。次に漢方は、各先生方によって病の治し方が変わります。さらに漢方薬は、名前が一緒であっても効能が異なるということが当然のように起こります。全ての治療において言えることですが、特に漢方治療においては治療者と患者さまとの意思の疎通が全てです。