■症例:不眠 36歳、女性。睡眠導入薬を毎日服用している。それでウトウトとはするが、常に頭は覚醒していて少しの物音で起きてしまう。食欲も、便通も、睡眠も、すべて乱れていた。そしてこれらの原因は、実はすべて同じである。体力の不足。人間が本質的に持つはずの力の弱り。完全に「虚」に属する病態であった。原因が同じである以上、一つの薬で足りる。体力を回復させることで、快食・快眠・快便へと向かわせるのである。 2019年09月14日
酒さ様皮膚炎 顔が赤くなって恥ずかしいという思いをする方は、多いと思います。程度が軽ければ問題ありませんが、顔がチクチクと痛み、あるいは痒くなり、発疹まで出るということがあります。酒さ様皮膚炎。西洋医学でもなかなか治療の難しい病に属する疾患です。人によって適応する薬方も、そして治療期間も異なってくるため、個人差を重視する東洋医学的解釈をフル動員して治療に臨む必要があります。 2019年09月13日
■症例:過換気症候群 39歳、男性。過換気症候群。何度病院に通うも問題ないと言われていた症状が悪化し救急搬送された病院で、こう診断された。クリエイティブかつ斬新な技術を持つ西洋医学をもってしても、問題を見つけられないケースが存在する。だからそれを補うべく、漢方家は体の中を「想像」する手法を磨き上げた。この患者さまの症状は、心中・心下の積気。古人が「中脘(ちゅうかん)の結聚」と呼んだ病態である。 2019年09月07日