漢方治療について

漢方治療の経験談「起立性調節障害治療」を通して

朝、学校に行こうと思っても起きられない。頭が重く、痛い。体が重く、力が入らない。その他めまいや吐き気、立ちくらみなどの様々な症状を発生させる「起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)」。決して治らない病ではなく、的確な治療によって改善へと導くことのできる病です。

曇天の癘気(れいき)

漢方治療を行っている中で良く感じることなのですが、頭痛や目眩(めまい)、下痢、鼻炎など、各患者さまに、突然同じような症状が発生してくることがあります。「天候」。東洋医学の思想は、人間と天候との関係の中で培われてきたという背景があります。この事実は、おそらく人と病と健康とをつなぐ本質的な着想です。

漢方治療の経験談「酒さ・赤ら顔治療」を通して

「酒さ様皮膚炎」。鼻や頬を中心として強い赤味を発生させる疾患です。灼熱感を伴う強い火照りや発疹、時に痛みなどの知覚過敏を伴います。私の経験上、漢方治療によって改善へと向かうことの多い疾患ですがやはり波を打ちます。急激な寒暖差はその最たるもので、冬や春では特にこの波が生じやすくなります。

本当に弱い方など

人の辛さは、あくまで人の辛さ。 それは辛いね、大変だねと、どんなに共感した所で、 患者さまと同じ辛さを感じることが、私に...

愛憎のブルース

正直、私のコラム、 今まで結構ノリと勢いとで書いてきたところがあります。 日々思うことや、漢方にご興味を持たれている方々...

養生と薬

症状や病の軽重に関わらず、漢方薬にはそれを必要とするタイミングみたいなものがあって、例えばそれは、養生より先に薬が必要になる場合もある。しかし、養生と同時、もしくは養生の方が先ということもたくさんあるのです。漢方薬を服用することだけが漢方治療ではないと、私は思います。

消えていく治療

毎日作るのに手間のかかる煎じ薬。はじめは大変だし億劫だと思うのですが、自然と当たり前になっている方が多い。そして症状が改善する時もそう。知らない間に自然に消えていく。もっと自然に、もっと当たり前に。薬が無くても大丈夫、先生がいなくても大丈夫となるように。自然と消えていけるような、そんな治療が望ましい。

難しい時代

漢方薬は広く使われるようになりましたが、漢方の認知と実状に、正直ちょっと違和感があります。私は漢方は流行る必要はないと思っています。医療の中心は西洋医学であるべきで、その恩恵から漏れてしまった方への受け皿という位置が、漢方の正しい居場所だと思っています。

〇漢方治療の実際 ~自分に合った漢方薬を探されている方へ~

治療においては、正しいイメージを持つことがとても重要です。自分に合った漢方薬さえ見つかれば病は改善する、そういうイメージは多くの場合で誤りです。固定観念を捨てて、本当の漢方治療とはどういうものなのか、そして改善していく時は、どういう手順が必要なのかを、なるべく正しくイメージして頂ければと思います。

後者は名医

患者さまの諦めない気持ちと、先生方との治療経験こそが、次にお会いする先生を名医にします。それが「後者が名医」という言葉の真の意味合いだと、私は思います。今まで患者さまと伴に頑張られていた先生がいらっしゃっるからこそ、その経験が次の先生への大きなヒントとなって、より正確な治療を導くことができます。