自律神経失調症の特徴とその厄介さ 自律神経は身体の様々な活動を調節している器官です。自律神経が関与していない部分は無い、と言っても過言ではありません。したがって自律神経の乱れといっても、実に様々な症状が発生します。そして最も弱い部分に症状が出ます。そして何より苦しいのが、身体症状と同時に、精神的にも症状を悪化させるということです。 2024年02月08日
融通無碍のカラクリ 脾胃気虚を補う基本処方「四君子湯(しくんしとう)」と、湿痰という胃腸の水分代謝からくる吐き気などを止める「二陳湯(にちんとう)」。両者を合わせた構成を持つのが「六君子湯(りっくんしとう)」。効果と名称とが、非常に分かりやすくつながっています。しかし私は、最近この「六君子湯」をほとんど使わなくなりました。 2024年02月05日
ストーリーを診る 漢方の臨床を始めて十数年が経ちます。患者さまにはお一人お一人全く異なる、壮大なストーリーがあります。現状はただの一部でしかなく、その物語にこそ治療のヒントがあります。そして、これからもその物語は続きます。治療はその物語を、より良い方向へと導くためのもの。西洋医学も東洋医学も、到達しようとしている場所は同じだと思います。 2024年01月11日
新年のご挨拶 確実に変わっていく地球。それを私たちは、すでに天候の波として感じることができます。人は天に生かされている、そういう着想が根本にある東洋医学ですが、今後の東洋医学は、今までとは違う、新たな局面を迎えているように思います。時代時代で変化を続けてきた漢方、その正道をこれからも継承するべく、今年も精進してまいります。 2024年01月03日
暮れとピカソとカルテ整理 身になる・腑に落ちる。漢方治療においてはこの感覚が、私はとても大切だと思っています。見て、聞いて、話して、試し、理解する。そういう「経験」を積み重ねる中で、なるほどなと、自身が深く、理解することが「実感」です。実感の無い理解は、ただ知っているだけに過ぎず、その知識は往々として、あまり臨床の役にはたちません。 2023年12月22日
漢方治療の経験談「起立性調節障害治療」を通して 4 早く治るものと、時間をかけざるを得ないもの。起立性調節障害と認識されている方たちには、実にさまざまな治療の流れが存在します。そして病院ではっきりしないという状態であれば、東洋医学を強くお勧めします。漢方では起立性調節障害であろうとなかろうと、見極めさえ正しく行われれば治療の道筋を作り出すことが出来るからです。 2023年12月18日
年末の牙 本来11月から12月初旬は、もう少し安定している時期であったはず。にもかかわらず、多くの方が悪化しています。自律神経の乱れと、そこからくる血流障害。特に頭痛・めまい・耳鳴りなど、頭部に起こる症状が甚だしく、さらに胃腸活動の不具合から、不安感・焦燥感などのメンタル面に至るまで、今、苦しんでおられる方がかなり増えています。 2023年12月06日
恐怖の年末年始・23年版 毎年この時期になると、今後来るであろう大きな波に、私は背筋が凍えます。体調を一気に崩される方が多くなるからです。シンプルに「生活習慣が乱れる」から。特に、食事が乱れ、睡眠時間の確保が出来なくなるから、です。年末に悪化する病がたくさんあることを、ぜひ肝に銘じて。この年末年始をお過ごしくださいませ。 2023年11月30日
未来への投資 治療には、辛さが伴います。当薬局の漢方治療では、特にそうかもしれません。煎じ薬を毎日煎じ、食事・睡眠などの養生を指導され、良くなったと感じてもまた波を打ち、保険治療と比べれば決して安い金額ではありません。しかし、治療には終わりがあるべきだです。そう想いながら、なるべく最短での道のりを模索しつつ、治療に臨んでいます。 2023年11月24日
慣れていない人生 近年、お子さまのご相談が増えてきています。ここ5.6年の間で、一気に増えたという印象があります。起立性調節障害や過敏性腸症候群など。お子さまにおける漢方治療。各世代の中でも、特殊な治療を必要とする傾向にあります。目まぐるしく身体が変わる。精神的にも大きく成長する。その特殊性を鑑みる必要が、どうしてもあります。 2023年11月02日