漢方学習のススメ

これから漢方を志す方々へ 6

さて、次はどのグループに進むべきでしょう。「これから漢方を志す方々へ 3」であげた大まかなグループ構成は、A、傷寒論や金匱要略・黄帝内経などの古典 B、江戸(明治)時代に書かれたもの C、昭和(大正)時代に書かれたもの(昭和の大家)D、昭和後期から平成に書かれたものというものでした。C「昭和の大家」の次は、BとDとへの派生、というのが正直な回答です。

これから漢方を志す方々へ 5

今回は「昭和の大家」の解説集を読むにあたっての注意点。一つだけ説明します。初学者でもなじみやすい文章ということは、初学者に合わせた文章ということでもあります。つまり大塚敬節先生は、ご自分の考えを殺して本を作成している、という可能性があります。本に書いてあることは学問の導入に必要なのであって、あくまでそれが全てではない、という理解はしておく必要があります。

これから漢方を志す方々へ 4

昭和の時代の本には、漢方の初学者にとっても分かりやすい解説集が多々あります。まずは大塚敬節先生の著作を主軸に読む(解説集として最もその傾向が強いからです)。そして矢数道明先生や細野史郎先生の著作を読み、後に龍野一雄先生や荒木性次先生の世界に触れる。さらに湯本求真先生の皇漢医学や、森道伯先生の一貫堂医学(矢数格先生が解説されている)へと広がっていく。導入としてふさわしく、かつ知る必要のある時代だと思います。

これから漢方を志す方々へ 3

漢方の解説書を大まかに分けると、4つに大きく分かれています。A、傷寒論や金匱要略・黄帝内経などの古典 B、江戸(明治)時代に書かれたもの C、昭和(大正)時代に書かれたもの D、昭和後期から平成に書かれたもの と、時代によって分かれる。そして、それぞれに特徴があるのです。まず読むべき本は、Cの「昭和(大正)時代に書かれたもの」です。

これから漢方を志す方々へ 2

これから漢方を志す方々へ向けて。僭越ながら、「本」についてのアドバイスです。まずは「歴史」を勉強できる本を読むべきです。処方の勉強や漢方理論の勉強、古典の読解などはその後で良い。まずは日本と中国の歴史と、できれば今までどのような漢方家がいたか、漢方の流派があったか、ということをザックリとでも知っておいてください。学問は全体を俯瞰する目がとても重要です。

これから漢方を志す方々へ 1

漢方には中医学派とか古方派とか後世方派とか何々先生派とか、本当にたくさんの流派がある。しかし、これらは入り口にしか過ぎないと思うのです。学は重要ですが、学に溺れると人は治せません。臨床家としてやっていくには、結局自分でやり方を見つけていくしかないのですから、とにかく自分の形を作る前に、手当たり次第やってみた方が良いと思います。

虚構

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