今日は「細かいなぁ・・」と思われそうなお話を一つ。
「漢方」は「漢方薬」ではない、というお話。
これ、どういうことかと言うと、
現在巷では生薬成分を配合した商品がたくさん販売されていますが、
時にその商品には「漢方」と記載されているものがあります。
しかしそれは「漢方薬」ではない。あくまで「漢方」というイメージを記載しているに過ぎません。
「漢方薬」は文字通り「薬」に属しています。そして日本において「薬」とは、国が認めた場合にのみ与えられる名称です。
したがっていくら生薬を配合していたとしても、薬として認められなければ「漢方薬」とは言えません。
それゆえ「漢方」と表記するしかないのです。
もしくは、潔く「生薬」と記載されています。
体に良い影響を与える生薬を使って、食品や飲み物などにさまざまな工夫が凝らされ商品化されている。
それは生薬が本質的に持つ「懐(ふところ)の深さ」を表していると思います。
生薬は誰にでも安全に、高いパフォーマンスをもって使用することが出来るという側面があるのです。
ただし病への対応となると話は別。
生薬が持つ薬能を最大限に発揮する必要がある。長い歴史の中でそのための手法を磨き上げた結果として生まれのが「漢方薬」です。
ですから「漢方薬」は、その配合にこそ妙がある。
現代の科学でも解明し切れない深淵なる妙義が、その配合の中に詰まっているのです。
ただし「漢方薬」は「薬」ですので、
扱い方を間違えれば毒にもなる。
専門家が介在しなければお出しすることのできない所以です。
危険性を排除し、誰にでも馴染みやすい形で販売されている「漢方」と、
専門的な知識をもって、病に対応するべく作られた「漢方薬」。
両者の違いを知りつつ、自分に合った方を選んでもらえればと思います。