漢方治療の実際

〇漢方治療の実際 ~治療における漢方家の頭の中身~

漢方には気や血や陰や陽など、独自の尺度があります。しかし実際には、これらの尺度は大切ではありますが、その尺度で患者さまを診ているわけではありません。尺度はあっても全てが曖昧、客観的に表すことの出来るものではないからです。漢方家は、以前経験したことのある生きた知識、現実的な着想を常に思い浮かべながら治療しているのです。

〇漢方治療の実際 ~漢方専門の医療機関の選び方とコツ~

患者さまは人それぞれ、求めている医療が違います。特に漢方治療はその差が大きいと思います。体調管理から病の治療まで、幅広い医療を提供できるポテンシャルがあるからです。そのため大切なことは、ご自身に合った医療機関をどう選ぶのか、ということだと思います。ポイントは、「相性」と「意図」、そして「人から直接聞いた口コミ」です。

〇漢方治療の実際 ~【質問】漢方は何種類まで飲んでいいのか~

本来漢方は処方中の生薬の産地や分量を調節することで、より各個人に合わせた自由な運用を行うものです。ただし、煎じ薬ではそれが出来てもエキス顆粒剤ではそれが出来ません。エキス顆粒剤は処方として固定されているので、個人差に合わせることが難しいというデメリットがあります。

〇漢方治療の実際 ~「漢方」と「中医学」との違い・後編~

前編では「漢方」について解説していきました。今回は「中医学」、この似て非なる医学をなるべく詳しく解説していきたいと思います。中医学という言葉は、実はとても広い意味で使われています。広く使われてしまっているからこそ、非常にその定義が複雑になってしまっているのです。

〇漢方治療の実際 ~「漢方」と「中医学」との違い・前編~

「漢方」と「中医学」。これらは同じもののようですが、実は別物です。両者ともに我が国日本で行われている伝統医学ではありますが、伝わってきた由来もその内容も、異なる側面を多分に含んでいます。漢方と中医学、両者にどのような違いがあるのかを詳しく解説していこうと思います。

〇漢方治療の実際 ~自分に合った漢方薬を探されている方へ~

治療においては、正しいイメージを持つことがとても重要です。自分に合った漢方薬さえ見つかれば病は改善する、そういうイメージは多くの場合で誤りです。固定観念を捨てて、本当の漢方治療とはどういうものなのか、そして改善していく時は、どういう手順が必要なのかを、なるべく正しくイメージして頂ければと思います。

〇漢方治療の実際 ~本当に効くのか?実際に治している先生方の共通点~

漢方薬は本当に効くのでしょうか?そもそも気を調えるとか、血を調えるとか、漠然とし過ぎていてよくわかりません。今回はこのような疑問に対して、私自身が思う、率直な回答をお示ししたいと思います。治療者、つまり漢方薬の出し手としてではなく、漢方を勉強してきた一学徒としてご説明いたします。

〇漢方治療の実際 ~西洋医学と東洋医学との違い~

当薬局にお越しになられる患者さまは、多くのケースで既に西洋医学的治療を受けられている方です。その中でなかなか症状が改善しないため、漢方治療をお求めになり当薬局にご来局されます。お身体の状態を詳しく伺っていると、今まで受けられてきた治療に対する患者さま自身の印象も自然と伝わってきます。

○漢方治療の実際 ~腎虚?八味地黄丸?臨床的に正しい理論とは~

学問的に重要な理論と、臨床的に正しい理論とは、まったくの別物です。学問として重要だとされる理論の中には、臨床的には正しくないというものがたくさんあります。「臨床的に正しい理論」とは、その理論に基づいて治療を行うことでちゃんと効果が発揮できる理論です。いくら学問的に重要な考え方であっても、それを臨床で応用した場合、現実的に効果が表れない・使えないという理論が漢方の世界では山のようにあるのです。

○漢方治療の実際 〜漢方薬を試してみたい方へ・医療機関の選び方〜

漢方薬は様々な場所で扱われています。病院やドラックストア、漢方薬局など、たくさんの場所があるので迷うと思います。これらの薬店や医療機関は各々で扱える漢方薬も違いますし、漢方治療における専門性も異なってきます。自分はどこに行くべきか、そう迷われている方々のために、今回はその見極め方を解説してみたいと思います。