店主の日常・あれこれ

情報弱者という言葉を耳にすると

情報弱者という言葉を耳にすると、情報が無いことが問題なのではなく、情報が無いと幸せになれない状況、もしくは幸せではないと思ってしまうことの方が問題なのではないかと、私は感じてしまうのです。日々私たちが暮らしている生活の中に、いかに尊い物事が散りばめられているのか。そこにこそちゃんと実感を伴う幸せがあるのではないか。

年末のご挨拶 ~今年一年の総括と伴に~

東洋医学では2000年も前から、天候の乱れによる病の治療が考察されています。しかし私の実感としては、培われてきたその手法をもってしても、現在の気象病に対応することが難しくなってきています。それだけ天候が今までにないレベルで乱れているということ。そして同時に、昔に比べて人間が弱っているということでもあります。

迷いの無くなる使い方

薬を飲まなくても良い体にしていくような治療の提案や、そうするためには何が大切で、どう選択していくべきかを教えてくれる医師や医療機関。自分の病とどう向き合えば良いのか、健康を実現させるために惑わされない芯の部分をちゃんと教えてもらえるなら、きっと自分自身の病の治療や、健康に使うお金の使い方は上手になるはずです。

猫は欲望に正直です

久々にお萩(飼い猫)の話です。猫は欲望に正直です。一緒に生活していると良く分かります。欲望に真剣というか。真っ直ぐというか。でも猫は人と違って、欲望丸出しなのにどこか節度も感じます。それと比べると、人の欲望はどことなく下品な気がする。同じ欲望なのにいったい何が違うのだろう。多分、「想像力」なのかなと。

夏の折り返し地点

夏バテが本格的に増えてくる季節になってきました。冷たいものの飲みすぎ食べ過ぎ、夜間寝ている間の空調管理、水分でお腹いっぱいにせずちゃんとご飯を食べること、夏の養生をもう一度徹底していきましょう。熱中症予防というと、皆さん水分摂取を真っ先に挙げられますが、最も根本的な予防は水分摂取ではなく、暑い所に行かないこと、です。

天気のことを専門家に聞いてみた

10年前に起こった環境変化。そこから地球が前の状態に戻ることは難しい。であるならば今できることは、地球の病状をこれ以上悪化させないという努力。患者さまが病から解放されるとき、患者さまは驚くほどの努力と覚悟とを、私に見せてくれます。欲望に負けない、信念を持った摂生。病を治すとは、そういうことです。

限り有る医学

自然や環境への感度が高い人ほど、漢方・東洋医学に注目されている印象がある。確かに有機的な素材は強すぎず、弱すぎない。漢方薬が注目されるのは当然のことだろう。ただ問題は、今後、求められるほどの量を供給し続けていけるのか、ということ。生薬が枯渇し、供給が間に合わなくなる。そしてそれはもう、実際に目の前で起こっている。

世代交代を想う

今、私がこの仕事を続けていられるのは、先代が作った基盤があるから。そのやり方の一部を、私は確かに変えましたが、変えなかったことも、たくさんあります。超えるのではなく、一緒に作り続けている。目的や方向性は、常に同じところを向いている。もしそういう世代交代なのであれば、両者、かならず腑に落ちるタイミングがあるはずです。

融通無碍のカラクリ

脾胃気虚を補う基本処方「四君子湯(しくんしとう)」と、湿痰という胃腸の水分代謝からくる吐き気などを止める「二陳湯(にちんとう)」。両者を合わせた構成を持つのが「六君子湯(りっくんしとう)」。効果と名称とが、非常に分かりやすくつながっています。しかし私は、最近この「六君子湯」をほとんど使わなくなりました。

ストーリーを診る

漢方の臨床を始めて十数年が経ちます。患者さまにはお一人お一人全く異なる、壮大なストーリーがあります。現状はただの一部でしかなく、その物語にこそ治療のヒントがあります。そして、これからもその物語は続きます。治療はその物語を、より良い方向へと導くためのもの。西洋医学も東洋医学も、到達しようとしている場所は同じだと思います。