特集・東洋医学雑記

花火散るが如く

誰にでも『傷寒論』は読める。しかし『傷寒論』を完全に読み解いた人は、今までの歴史上、一人もいない。なぜ少陰病に、大承気湯が書かれているのか。例えばなぜ陽明病に、麻黄湯が書かれているのか。『傷寒論』の骨格、六経病とは一体何なのか。『傷寒論』の著者、張仲景(ちょうちゅうけい)。燃え尽きる命を、多く目にしてきた聖医。

【名医伝】和田東郭先生語録

平成・令和の漢方が、昭和時代の漢方を礎としているならば、昭和漢方の礎は、確実に江戸末期にあります。今回紹介したいのは、江戸末期の漢方家尾台榕堂(おだいようどう)や浅田宗伯(あさだそうはく)、山田正珍(やまだせいちん)や山田業広(やまだぎょうこう)らが称賛した天才。江戸後期の名医「和田東郭(わだとうかく)」についてです。

【名著紹介】細野史郎先生編著『方証吟味(ほうしょうぎんみ)』

細野史郎先生。日本東洋医学会理事長にまで就任された名医。押しも押されぬ、昭和の大家の一人です。『方証吟味(ほうしょうぎんみ)』には、そんな細野先生の肉声を聞いているような生々しさがあります。漢方を志している方には是非読んでほしい名著です。いくつか読むべき理由があるので、今回はそれを紹介してみたいと思います。

【名著紹介】荒木性次先生著『新古方藥嚢(しんこほうやくのう)』

私の大好きな漢方家、「荒木性次(あらきしょうじ)」先生の「新古方藥嚢(しんこほうやくのう)」をご紹介いたします。荒木性次先生は、昭和を代表する漢方家で私と同じ薬剤師。湯本求真の弟子、その四羽ガラスの一人としても有名です。人が人生をかけると、どのような文書を書くのか。まだお読みでない方は是非。

『岷山の隠士』

昭和後期の大家である山本巌先生は、数々の名著を残された漢方界の巨頭の一人である。私はある時期山本先生の著書を貪るように読み耽り、その中の一節から今までの自分を一変させる薫陶を受けた。臨床家とは何か、座学と実学の違いとは何か、多くのことを示唆する内容である。かなり長くなるが、この場を借りて是非紹介したいと思う。

インフルエンザに麻黄湯が出される理由 2

麻黄湯は決して一律的に使って良い薬ではなく、間違えた使い方をすると逆に悪化させることさえあります。インフルエンザに使うにしても、麻黄湯の使い方に適した状況であるかどうか。その見極めを必ず行う必要があります。 麻黄湯は構成生薬から考えて、「かなり強く発汗を行なおうとしている状態」「かつ強く発汗を行っても大丈夫な状態」に使うべき処方です。

インフルエンザに麻黄湯が出される理由

これからの時期多くなるのが風邪。なかでもインフルエンザは感染の力が強く、流行してしまうので注意が必要です。インフルエンザと診断が決まれば、その時は抗インフルエンザ薬が第一選択ですが、漢方薬を同時に処方する医療機関も増えてきました。特に処方されやすい方剤が「麻黄湯(まおうとう)」です。「麻黄湯」がインフルエンザに有効であるという論文があるからです。この論文があるという根拠。僕は非常に危険だと思います。

坂本薬局 先代

■坂本薬局先代・故 坂本正 東京薬科大学卒、香港中国医薬学院(日本分院)卒業後、漢方の道を志す。日本漢方医学研究所にて大...

感じる力 2

(前回の続き・・) 言葉に縛られていたら、世界観を見失います。 古典はただ言葉をパズルのように解釈しているだけでは、読め...

感じる力 1

大切なことを伝えたい、 正確に伝えることは難しいけど、伝えたい・伝えなければいけないという時、 人はそれを、絵や映像や音...