病名別コラム

□血管運動性鼻炎 ~漢方の基本だけでは難しい・独自の考え方と使い方~

血管運動性鼻炎という病があります。別名、非アレルギー性鼻炎。寒暖差アレルギーと俗に言われることもあります。この鼻炎は「自律神経の問題」と考えれられています。漢方治療では自律神経に効果を発揮する薬がたくさん用意されています。理論よりも先に手法が作られた医学。その特徴があるからこそ、対応する手段が多く培われてきました。

◆漢方治療概略:「胃痛・みぞおちの痛み」

胃は自分でコントロールすることが難しい臓器です。このコラムでは、冷えによる胃痛対策としての「人参湯(にんじんとう)」等や、暴飲暴食やストレスによる胃痛対策としての「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」等、水の停滞による胃痛対策としての「六君子湯(りっくんしとう)」等、漢方治療の概略を解説していきたいと思います。

漢方治療の経験談「気管支喘息治療」を通して

喘息治療には永い歴史があります。漢方の聖典『傷寒論(しょうかんろん)』や『金匱要略(きんきようりゃく)』において、既に喘息治療は記載されています。喘息は、漢方によって改善しやすい病だと言えます。喘息における漢方治療の要綱を述べると、漢方では「本治(ほんち)」と「標治(ひょうち)」とを分けることが基本です。

漢方治療の経験談「アトピー性皮膚炎治療」を通して

アトピー性皮膚炎は、他の皮膚病と比べてもある程度わかりやすい臨床像を形成します。赤くガサガサとした皮膚面、時に象の皮膚のように厚く肥厚することもある。程度の強弱や範囲の違いこそあれ、一目にアトピー性皮膚炎と分かるケースも少なくありません。ただ、だからといって処方がすぐに決まるわけではありません。

漢方治療の経験談「月経前症候群(PMS)治療」を通して

月経前症候群(PMS)は、漢方治療をお求めになる方の多い疾患です。そして当薬局にご相談に来られる方の多くは、生活に支障が出るほどの強い症状を起こされている方々です。ただしこの病は、そこまで強い症状がなくとも治療をお勧めしたいと感じます。PMSでは、良くなってみて初めて気が付く、「生活の楽さ」というものがあるからです。

□晩春の風邪 〜用意しておきたい漢方薬とその使い方〜

厳しい寒暖差・気圧差が続いた4月。今年は風邪をひく患者さまが多かった印象です。今回は、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、五虎湯(ごことう)、小柴胡湯(しょうさいことう)、排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)、藿香正気散(かっこうしょうきさん)など、咽風邪を引いてしまった時に試して欲しい薬をいくつか紹介したいと思います。

漢方治療の経験談「自律神経失調症治療」を通して 2

自律神経失調と聞くと、あたかも精神や心を乱している病を想像しますが、実際には違います。自律神経失調は、脳や心の病気ではなく、体にある神経の乱れを指しています。脳と体とは、これらの神経を介して繋がっているので当然切り離すことはできませんが、体の乱れが基にあることで、それが心に影響を及ぼしているという状態を指しています。

漢方治療の経験談「不眠症・睡眠障害治療」を通して

眠りは日中の運動、適切な食生活など、からだ全ての活動が順調に関連した結果として起こります。漢方ではこの関連に着目します。従って、例えば不眠治療で有名な酸棗仁湯(さんそうにんとう)や温胆湯(うんたんとう)、抑肝散(よくかんさん)などを無作為に飲んだところで、眠れるようにはならないというのが臨床の現実です。

漢方治療の経験談「陰部湿疹・陰部掻痒症治療」を通して

私の経験上、「陰部湿疹」や「陰部掻痒症」は漢方治療によって改善可能な病です。薬方選択においては、皮膚病治療の大枠を捉えておく必要があり、さらに陰部に起こるという特殊性を鑑みることが重要です。単に「十味敗毒湯」や「黄連解毒湯」、「竜胆瀉肝湯」や「加味逍遙散』などの処方のみでは効果を表しません。

◆漢方治療概略:「疲れ・疲労倦怠感」・後編

「疲れ・疲労倦怠感」においては、一般的に「虚」に対する治療がしばしば行われます。「虚実」は東洋医学における重要概念ですが、虚実の見極めのポイントを「前編」にて解説しています。後編では、疲労を取るときに使いやすい漢方処方のうち、「十全大補湯」「補中益気湯」「小建中湯」「六君子湯」の4つの有名処方について解説していきます。