病名別コラム

漢方治療の経験談「潰瘍性大腸炎治療」を通して

潰瘍性大腸炎。国が定める指定難病。下痢を起こす疾患の中でも、長期的な治療を必要とする厄介な病です。腹痛を伴う下痢を、一日4.5回、多いと10回以上起こし、血便を起こし貧血を伴えば、身体の脱力感・疲労感も相当のものです。指定難病の中でも患者さまの数が多く、当薬局でも今までかなりの数の患者さまからご相談を受けてきました。

漢方治療の経験談「産後の不調」を通して 2

東洋医学が生まれた漢の時代、その時からすでに、妊娠中・産後の病の治療方法が存在しています。その原典『金匱要略』に割かれた記載が二編に及ぶことからも、古の時代から、妊娠・出産・産後は女性にとって不調を生じやすい時期だと認識されていたことが分かります。産後の不調の多くは、改善することが可能です。

漢方治療の経験談「蕁麻疹と寒冷蕁麻疹治療」を通して

蕁麻疹に対してしばしば用いられる処方は「消風散」です。ちょっとした改良が必要ですが、これはこれでちゃんと効いてくれる良い薬です。そして蕁麻疹には寒冷蕁麻疹という病もあります。冷たい刺激によって起こるこの蕁麻疹に対しては、「麻黄附子細辛湯」などがしばしば使われ、効果を発揮します。これらは蕁麻疹治療の基本だと思います。

□変形性膝関節症 ~漢方薬による治療方針と現実的な効果~

大塚敬節先生は、変形性膝関節症に防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)を良く使いました。しかし防己黄耆湯は、それ単独ではあまり効き目を示しません。それもそのはずで、大塚敬節先生は防己黄耆湯を使う際、かならず改良を加えていました。桂皮や麻黄を加えたりなど、状況によって変化させながら対応することでこの方剤を使っていました。

自律神経失調症の特徴とその厄介さ

自律神経は身体の様々な活動を調節している器官です。自律神経が関与していない部分は無い、と言っても過言ではありません。したがって自律神経の乱れといっても、実に様々な症状が発生します。そして最も弱い部分に症状が出ます。そして何より苦しいのが、身体症状と同時に、精神的にも症状を悪化させるということです。

漢方治療の経験談「起立性調節障害治療」を通して 4

早く治るものと、時間をかけざるを得ないもの。起立性調節障害と認識されている方たちには、実にさまざまな治療の流れが存在します。そして病院ではっきりしないという状態であれば、東洋医学を強くお勧めします。漢方では起立性調節障害であろうとなかろうと、見極めさえ正しく行われれば治療の道筋を作り出すことが出来るからです。

□血管運動性鼻炎 ~漢方の基本だけでは難しい・独自の考え方と使い方~

血管運動性鼻炎という病があります。別名、非アレルギー性鼻炎。寒暖差アレルギーと俗に言われることもあります。この鼻炎は「自律神経の問題」と考えれられています。漢方治療では自律神経に効果を発揮する薬がたくさん用意されています。理論よりも先に手法が作られた医学。その特徴があるからこそ、対応する手段が多く培われてきました。

◆漢方治療概略:「胃痛・みぞおちの痛み」

胃は自分でコントロールすることが難しい臓器です。このコラムでは、冷えによる胃痛対策としての「人参湯(にんじんとう)」等や、暴飲暴食やストレスによる胃痛対策としての「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」等、水の停滞による胃痛対策としての「六君子湯(りっくんしとう)」等、漢方治療の概略を解説していきたいと思います。

漢方治療の経験談「気管支喘息治療」を通して

喘息治療には永い歴史があります。漢方の聖典『傷寒論(しょうかんろん)』や『金匱要略(きんきようりゃく)』において、既に喘息治療は記載されています。喘息は、漢方によって改善しやすい病だと言えます。喘息における漢方治療の要綱を述べると、漢方では「本治(ほんち)」と「標治(ひょうち)」とを分けることが基本です。

漢方治療の経験談「アトピー性皮膚炎治療」を通して

アトピー性皮膚炎は、他の皮膚病と比べてもある程度わかりやすい臨床像を形成します。赤くガサガサとした皮膚面、時に象の皮膚のように厚く肥厚することもある。程度の強弱や範囲の違いこそあれ、一目にアトピー性皮膚炎と分かるケースも少なくありません。ただ、だからといって処方がすぐに決まるわけではありません。