病名別コラム

◆漢方治療概略:「頭痛」・前編

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、これら2つの処方は、疲労によって起こる頭痛に使いやすい薬です。また、天気・気圧に左右される頭痛には呉茱萸湯(ごしゅゆとう)や五苓散(ごれいさん)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)が挙げられます。

漢方治療の経験談「ニキビ・尋常性ざ瘡治療」を通して

ニキビ治療の本質は、薬物治療と生活改善との両立です。ニキビは皮膚の病ですが、からだ全体を診ながらより大きく、「病態の流れ」を把握しなければなりません。ニキビ治療で有名な十味敗毒湯や黄連解毒湯、荊芥連翹湯や清上防風湯などは、ニキビの特効薬ではなく、あくまでこの流れの中の一場面において使う薬です。

□男性更年期障害(LOH症候群) ~漢方薬による対応とその実際~

女性特有の疾患と認識されがちだった更年期障害。実は男性にも起こるということが、今では広く認知されるようになりました。男性が心身の健康を維持するために必要とする男性ホルモン(テストステロン)が、何らかの理由で急激に減少してしまうために心身に不調をきたす病が、男性更年期障害(LOH症候群・加齢性腺機能低下症)です。

漢方治療の経験談「子宮筋腫・子宮内膜症治療」を通して

漢方治療では、物理的に大きくなってしまった組織を小さくしていくことは、現実的に言うと難しいという側面があります。しかし、子宮筋腫や子宮内膜症に付随する様々な機能的問題、例えば経血量の過剰や貧血、激しい月経痛やPMS(月経前緊張症)など、これらの側面に対しては、高い効果を発揮することがままあります。

漢方治療の経験談「非結核性抗酸菌症治療」を通して

近年増加傾向にある感染症の一つに、非結核性抗酸菌症(肺MAC症)があります。非結核性抗酸菌という菌に感染することによって起こる病です。咳き込みや息苦しさ、血の混じる痰などが、なかなか治ってくれません。顕著なだるさや食欲不振などを伴うことも多く、当薬局でも多くの患者さまからお問合せを頂く病です。

□自律神経失調症・パニック障害 ~漢方薬による治り方とその具体像~

当薬局でも多くのご相談が寄せられる、自律神経失調症やパニック障害。これら自律神経の乱れを主体する病は、とにかくさまざまな症状を併発しやすいという特徴があります。息苦しさや動悸、頭痛や不眠、不安感や焦燥感を筆頭に、心身に及ぶあらゆる症状が、出たり止んだりを繰り返します。

漢方治療の経験談「更年期障害治療」を通して

更年期障害では、身体の血流を順調ならしめる必要があります。自律神経は血流をコントロールする神経です。また内分泌(ホルモン)は血流にのって運ばれる物質です。体の隅々にまで流れている血流。それを、どのように調節するのか。血流(血脈)という点に着目し、そこに心血を注いだ医学が漢方だと言っても過言ではありません。

□梅雨の病 ~梅雨に起こりやすい症状と効果的な漢方薬~

世界が湿気に覆われる梅雨。今回のコラムでは、この湿気に対応する方法を詳しく述べていきたいと思います。腹痛や下痢、風邪症状や体のだるさ、頭痛や腰痛、膝の痛みなど、特に本格的に暑くなると、きまって体調が悪くなるというかた。その原因は、この梅雨時期の過ごし方にあるかもしれません。

□産後の不調 ~漢方をお勧めできる理由とその手法~

今回のコラムでは、産後の漢方治療の特徴をご説明していきたいと思います。現代のような出産管理を行うことが出来なかった時代では、今以上に妊娠・出産はリスクを伴いました。漢方はそういう時代に作られたからこそ、妊娠・産後の体調を維持・回復するための手法が多く考案されてきました。

漢方治療の経験談「起立性調節障害治療」を通して 3

補中益気湯や苓桂朮甘湯など。すべでの起立性調節障害が王道だけで治せるわけではありませんが、中にはこれらの薬で治る方はもちろんいらっしゃるわけで、王道は王道として、大切な手法だと感じています。ただその一方で、患者さまが受けてきた漢方治療の中には、それはマズいと思うようなものもあります。