漢方学習のススメ

読んで考えて

最近、漢方の書籍を読み直す作業が楽しい。例えば、『古方こほうの薬味』という本。その中に、厚朴(こうぼく)という生薬の働きについて矢数有道(やかずゆうどう)先生の言葉が書いてあります。20代の頃には響かなかった言葉も今読み直すと、桂枝加厚朴杏子湯や、厚朴生姜半夏甘草人参湯といった処方の意図が明確になる。

生きた技

現役の教育者でもある師匠は、現在「Kampo lab collage」という勉強会を開いておられます。私はその初期メンバーの一人。他愛のない話を通して、本当にたくさんの考え方や具体的な技を教えていただきました。皆さんも、自分の師から、たくさんの人柄とその感性とを感じて下さい。

漢方治療の心得 23 〜漢方を知る〜

一番重要なのは、「漢方」を知っているのかどうか。臨床を通じて私はそう感じます。実際に融通無碍ゆうずうむげの運用ができる漢方家の凄さは、ここに集約されるのです。江戸の名医・尾台榕堂(おだいようどう)、昭和の名医・中島随証(なかじまずいしょう)…名医たちは皆、「漢方」を知っていました。

漢方治療の心得 22 〜処方の真意〜

現在の漢方治療は、多くのケースで「処方第一主義」をとっています。方ほう(処方)と証しょう(病態)とが相対するという、漢方の基礎理論から言えばそれでも良いのかも知れません。しかし、その先がある。漢方治療には、「処方は決して解答ではない」という、その先の領域があるのです。

漢方とアート 7 〜ファッションとスタイル〜

漢方の世界では、正解は一つではない。正しさは常に複数個ある。その中で、何を選択するかはその人の経験と感覚とに委ねられている。だから、感覚を磨くことがとても大切になる。今までの歴史上の名医には、必ず「型」があった。尾台榕堂(おだいようどう)には尾台の、浅田宗伯(あさだそうはく)には浅田の「型」があった。

義務教育と、漢方家が持つべき素質。

名医と呼ばれる漢方家であれば、皆一様に「古文・漢文」の大切さを、その意味を理解しているように思えます。臨床において最も必要な知識とは何か、ひいては人生において最も役に立つ知識とは何か、そういうことを理解しているかどうかの問題だと、私は感じるのです。人生で最も大切な能力とは。あなたはどんな能力だと思いますか?

桂枝湯(けいしとう)への思想 2

桂枝湯の深さ。それはそのまま東洋医学の深さと言っても過言ではありません。東洋医学史上、未だに解明し切れていない最大の謎。漢方の正道を進む上で、避けては通れない大きな関門です。ただ張仲景(ちょうちゅうけい)は、確実にヒントを残してくれています。すべては『傷寒論』に載っています。

漢方治療の心得 21 〜逆行と同調〜

治療の考え方には二通りあります。一つは「現状に対して逆行する形を導く」という考え方。冷えているなら温める、熱があるなら冷ます。これが基本です。しかし考え方はそれだけではありません。「現状に対して同調する」という考え方があります。この考え方を持てるかどうかで、治療の幅は大きく変わります。

桂枝湯(けいしとう)への思想 1

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)、小建中湯(しょうけんちゅうとう)の類。私が良く使う処方たちである。桂枝湯は「衆方の祖(あらゆる処方のおおもと)」と言われるくらいだから、その加減(改良したもの)となるとそれこそ沢山の処方を包括していることになる。

漢方とアート 6 〜薔薇を描く〜

融通無碍(ゆうずうむげ)。漢方の世界では、治療に長けた先生方の処方運用をしばしばこう表現します。一つの見方・考え方にとらわれるのではなく、自由自在にものを見、考え方を変える…。どんな病であっても個人差があり、その差を見決めるためには疾患というカテゴリーから時に思考を外さなければなりません。
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