漢方治療の心得

漢方治療の心得 21

治療の考え方には二通りあります。一つは「現状に対して逆行する形を導く」という考え方。冷えているなら温める、熱があるなら冷ます。これが基本です。しかし考え方はそれだけではありません。「現状に対して同調する」という考え方があります。この考え方を持てるかどうかで、治療の幅は大きく変わります。

漢方治療の心得 20

私が得てきた漢方治療の技とコツを、お伝えするべく始めた「漢方治療の心得シリーズ」。早いもので20回目を迎えました。たくさんの先生方から、そして、たくさんの患者さまたちから、本当にたくさんのことを教えてもらってきたのだと感じます。20回目を迎えた今回は、私が最初に感じた臨床のコツをお話します。

漢方治療の心得 19

先入観。物事を正しく見るために、必要であると同時に、往々として邪魔になり得るもの。治療においては、いつだってこのバランスが問題になる。師匠が最初に教えてくれたこと。それは、先入観との折り合いを模索し続けろということ。分かると分からない、観えると観えないとの狭間にこそ、真実があるという口訣です。

漢方治療の心得 18

症状をパズルのようにならべ、そこから処方を紐解いたとしても、何の意味もありません。思い浮かべるべきものは、人なのです。気力を失い脱力した姿態、苦悶に満ちた表情、そういうリアルな患者さまが、臨床家に愛される漢方の聖典・『傷寒論(しょうかんろん)』には生き生きと描かれています。

漢方治療の心得 17

美しいか・美しくないか。この尺度は漢方を学ぶ上で重要だと教えられ続けてきて、実際に臨床を通して痛感します。患者さまを観て、症状から病態そして薬方までに一本綺麗な線を引けた時が一番よく効くということはおそらく多くの臨床家が実感していることではないかと思います。

漢方治療の心得 16

私見では、古典は必ず読むべきものです。特に『傷寒論(しょうかんろん)』や『金匱要略(きんきようりゃく)』、さらには『黄帝内経(こうていだいけい)』といった聖典は、必ず読んだ方が良い。自分自身の経験からいってそう思います。臨床上、どうしてもそう感じざるを得ないのです。

漢方治療の心得 15

人の話を良く聞く。指導の前に、まず共感すること。自分のやり方よりも、まず相手に合わせるやり方こそが求められるようになった。ある意味で、当然のことだと思います。一方、病を治す、症状を改善する、人のためにこそ相手の視線に立つならば、時には厳しい指導が必要な時があるのかも知れません。

漢方治療の心得 14

師匠が最初に教えてくれたもの、それは風邪(かぜ:感染症)治療でした。「風邪を上手に治せる人は、慢性病の治し方もうまい。しかし逆はない」。「風邪は万病のもと」だと良く言われますが、この言葉は我々漢方家への訓戒でもあるのです。風邪の治し方は万病の治療に通ずるのだと。

漢方治療の心得 13

漢方の上達。何をもって腕が上がったと感じるのか?それを私なりに具体的に言うならば、「共感」の一言に付きます。自分の言っていることが伝わる、という意味ではなく、相手の言っていることが分かる、という共感です。たくさんの方々と共感すること自体が、すなわち成長になる。これは真実だと思う。

漢方治療の心得 12

私が初めて漢方の勉強を始めた時、まず読まされたもの。それが歴史の本でした。次世代の流行を、新たなイノベーションを作り出す人には、ある条件が必要です。歴史を知っていること。今まで行われてきた文化活動の流れを熟知していなければ、今行っていることの意味も、次の時代に必要なものも、決して見えてこないと思います。
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