■症例:不整脈・心房細動 59歳、男性。持病に不整脈・心房細動がある。今現在西洋薬で治療している最中である。しかし薬を飲み始めてから、めまいとふらつきが起こるようになった。薬による副作用だろうと本人は感じ、病院でもその可能性は否定できないという説明を受けた。西洋薬による副作用を、漢方薬で止めることはできないかというご相談。 2024年09月11日
■症例:鼻炎・血管運動性鼻炎 15歳の男子が、お母さまと一緒にご来局された。中学の頃から、鼻水が止まらなくなった。とにかく体が熱くなり、急激に鼻水が出て止まらなくなるという。急迫的な病態に表れる「煩躁」。熱を捨て、まずは病態をそう捉えてみる。そして煩躁には発生機序があり、石膏剤から始まり、茯苓四逆湯で終わる流れがある。 2024年04月01日
■症例:パニック障害・自律神経失調症 漢方治療は、症状から病態を把握する。一つ一つの症状に効く薬を出す。それが基本。不安感を主とすれば、桂枝加竜骨牡蛎湯や柴胡加竜骨牡蠣湯、また柴胡桂枝乾姜湯や甘麦大棗湯など、それこそ多くの処方が挙げられる。こうやって一つ一つの症状から、処方を結び付けていく。しかしそういう治療では、自律神経の乱れを治すことはできない。 2023年10月06日
■症例:前立腺肥大 患者さまのご紹介で、そのお父さまがご来局された。病院へ行き、前立腺肥大と診断。背景には、おそらく老化現象がある。そういう排尿障害であれば、漢方ではある病態をすぐに想起させる。腎虚。補腎薬、八味地黄丸の適応。通常であれば、この処方を使うことが自然なのかもしれない。しかし、腎虚と単なる老化とは、また違う概念である。 2023年08月10日
■症例:起立性調節障害(OD) 起立性調節障害と診断された女の子。近くの漢方薬局で補気の名方・補中益気湯をもとにした煎じ薬で一旦良くなったが、再発。その処方が間違いだとは言えないが、再発してしまう状況を鑑みると、正しいとも言えない。私が感じたのは「気」ではなく、むしろ「水」だった。水の失調。今回の病では、的確な「治水」が行えるかどうか、それが全てである。 2023年02月17日
■症例:頭痛・胃痛・下痢 主訴は、定期的に起こる頭痛、胃痛、腹痛と下痢。痛みに悩まされる方特有の、眉間にしわを寄せる表情が印象的だった。腸や子宮といった骨盤内臓器の活動・機能が乱れていることは明白だった。今回の治療では、痛みを止めることが絶対条件になる。如何に骨盤内の乱れを改善できるのか。治療方針としては、そこから外れることはないと感じた。 2022年12月08日
■症例:お子さまの発熱(周期性発熱症候群) 周期性発熱症候群。お子さまに起こる、原因不明の自己炎症性疾患である。発熱、頭痛と腹痛、そして吐き気を伴い実際に食べたものを嘔吐する。食欲が減り、咽に膿が出だして、体を横たえる。風ではらうべき熱というものが、漢方の世界にはあって、古人はそれを「熄風(そくふう)」と呼んだ。体にそよ風が吹けば、熱は自ずと消散する。 2022年10月01日
■症例:胆管炎・胆石症 原発性胆汁性胆管炎(PBC)と診断された70歳、女性。古人は消化管の病を診る際、底に巣食う、腹の「緊張」を診た。その中の一つに、腹に限局した緊張を見て取れる場合がある。これらの病を「積聚(せきじゅう)」と呼んだ。この「積聚」という病の中に、現代でも通用する、胆管炎や胆石症治療のヒントが隠されている。 2022年06月17日
■症例:片頭痛・耳鳴り・更年期障害(ホットフラッシュ) 54歳、女性。服用を始めて2か月経った頃、体調はだいぶ改善し、頭痛も耳鳴りもホットフラッシュも、ほぼ気にならない程度に回復していた。こうなると良くなった分、悪くなるきっかけが分かりやすくなる。低気圧と、睡眠不足、そして食べ過ぎて胃に負担がかかった時。的確な養生と、特に下半身の筋トレが重要だとお伝えした。 2022年05月18日
■症例:腕の痛み・手指のこわばり 仕事にて日常的に手指を使うという女性から、治療のご相談を受けた。腕の痛みと、手指の強張こわばり。以前から漢方を試してみようと思い、当薬局に来局された。腕・手指の痺証には、頚椎などの骨に異常があるもの、そうではなく内臓に異常があるもの、そしてどちらにも属さず疲労の蓄積によるものと、さまざまな病態が考えられる。 2022年04月13日