参考症例

■症例:便秘・顔のほてり

昨晩、排便しようとトイレに座り試みるも、いくら息んでもまったく出ない。まるで大きなカチコチの石が、肛門を塞いでいるようだった。お腹が張って苦しい。患者さまはそれを、「狂いそうになる便秘」だと表現された。漢方には、この症候に用いる名方がある。私は、『傷寒論(しょうかんろん)』の中に収載されている処方の適応を想起していた。

■症例:小児喘息(咳喘息)

2週間前から咳が止まらない。風邪をひくと咳をこじらせるようになった。ただし熱は無く、夜になるとゼロゼロと咽を鳴らして咳が止まらないのだという。診断は「咳喘息」。最初に出した薬は4日分だった。4日後、ぐたっとした気力の無さが消え、元気が出てきた。そして食欲も増えて、咳の発作が無くなっていた。

■症例:胃痛・胃もたれ

「胃が調子悪くて・・・」漢方にて不妊治療に成功した奥さまが、その旦那さまをつれてご来局された。三日前から、ずっと胃が痛むのだという。私は7日分の漢方薬を出した。求めたのは即効性だった。煎じるときの一工夫も伝えておいた。あとは漢方薬がどう効いてくれるのか、祈る気持ちで次の連絡をお待ちした。

■症例:起立性調節障害(OD)

成長期特有の華奢な体つき。薄っすらと粉を吹くような皮膚表面の乾燥。詳しく伺ったお体の状態は、望診(ぼうしん:見て把握すること)からおおよそ想定していた状態と、ほぼ重なる情報だった。身体を作り出す材料が枯渇している。今回の場合、それが体調不良の原因である。ならば身体の「陰陽」を観る。

■症例:メニエール病

メニエール病は内耳に溜まった水が原因である。したがってイソバイドで水を抜けば、確かにめまいの発作はおさまってくれる。しかし患者さまには、めまい以外にも無視のできない所見が備わっていた。夜間に手足が火照り、口の中が乾燥する。肢体が細く、皮膚が乾燥している。明らかに水(潤い)の不足である。

■症例:冷え症(冷え性)・不妊症

通常冷え性治療は、その程度によっては薬を必要としない時もある。しかし、そうかどうかは東洋医学的に見極めることが必要になってくる。患者さまがご来局されたのは、赤ちゃんを授かるためには、自分の冷えを放っておいてはいけないのではないか。そういう危機感の中で、医療知識に頼らず孤独に決断したからだった。

■症例:自律神経失調症

62歳、男性。五・六年前から血圧が高くなり、そこから急激なのぼせや火照りが顔面を襲うようになった。のぼせや火照り以外にも、動悸や耳鳴り・不眠。不定の陽火。漢方にはそんなカラダの極端な緊張状態を緩和させる薬がある。約五か月の服用で自信を取り戻した患者さまは、症状の消失とともに治療を完了した。

■症例:更年期障害(酒さ鼻・ほてり)

50歳、女性。更年期障害のご相談である。閉経後、火照りが強く出はじめて、顔面が赤くなった。緊張すると動悸し、顔が火照って頭から汗をかくという。華奢な肢体に乾燥した肌と髪。理知的だが緊張をはらんだ口もと。桂枝加竜骨牡蛎湯では効かないと思った。そして同時に、ある処方が頭に浮かんだ。

■症例:後鼻漏(慢性副鼻腔炎)

今回の患者さまの場合、ポイントになるのは「胃」。胃を刺激する食べ物で後鼻漏が悪化するのである。鼻の「淀み」と不調を抱えた胃、これら両者が互いに関連して起こることがある、という経験則に基づいた事実である。私は副鼻腔の「淀み」を洗い流すと同時に、スムーズな胃活動へと導く薬方を出した。

■症例:脊柱管狭窄症

67歳、女性。足の付け根(臀部)に痛みが走った。病院にて診察を受ける。検査の結果「脊柱管狭窄症」と診断された。腰の骨(腰椎)が変形し、脊髄が圧迫されている。臀部の痛みと足裏の痺れは、それが原因だった。患者さまから「漢方薬で骨の変形が治るのでしょうか?とのご質問を受けた。私はこうお答えした。現実的に、漢方治療で骨の変形を治すことは難しいかもしれません。しかし、痛みや痺れを取ることは、おそらく可能です、と。
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