参考症例

■症例:通年性鼻炎

15歳、男子。会って話を聞き、この男子の鼻炎は、単に鼻だけの問題ではないことが確信できた。間違いなく、食事、である。この子は普段から食欲にムラがあった。そして発熱とともに鼻炎し体調が悪くなる際、必ず食欲が下がり、しかもひどく体がだるくなった。これは胃腸の弱りによる、材料の供給不足である。私は断じてお腹に力をつける薬を出した。飲んで5日で鼻水は止まった。そして14日後には発熱・頭痛・咽痛もおさまった。

■症例:便秘

70代男性。「お腹がぼこぼこと動く感覚がありませんか?」と聞くと、ある、という。「カイロか何かでお腹を温めるとどうですか?」と聞くと、楽だ、という。「食欲はいつからないのですか?」と聞くと、腹の張りが強くなってからだという。この時点で方針が固まる。散寒・温補を必要とする寒性便秘であるが、重要なのはその順序。まず散寒し(冷えを取り)、のち補を施す(体力を補う)。この患者さまはそれ以来、便が快通するようになった。

■症例:PMS(月経前緊張症)

30代女性。私は漢方薬の服用をお勧めした。明らかにPMS症状を持たれていたからだった。月経前の強いイライラと食欲の増加、上半身の浮腫みに不眠、そして何よりも強い便秘傾向。ここまで綺麗にそろっているならば、むしろ分かりやすい。改善しなければいけないのは心下(胃部)の詰まりである。私が出した煎じ薬を飲み始めて1週間後、早くも便通の改善と熟睡感を感じられたようだった。

■症例:多汗症・のぼせ

18歳の男の子。日常的に、とにかく汗が止まらないと困られていた。お話ししている最中でも、ずっと頬に赤みをさしているのが印象的たった。良く聞くと、口が渇くという。主にお小水の出方について詳細なヒアリングを行い、漢方治療を開始した。今日が4回目の来局となる。