漢方では「証(しょう)」という言葉が良く使われます。
患者さんを観た時、葛根湯を使うべき証(証拠)があれば、
それを「葛根湯証」と判断して葛根湯を服用してもらうわけです。
漢方の基本だと思います。
しかし私は「証」という言葉をあまり使いません。
患者さんに観るべきものはあくまで「病態」だからです。
実際の臨床では、漢方処方と直結する「証」など、
都合よく患者さんに用意されているわけではありません。
処方に患者さんを合わせるのではなく、
患者さんに処方を合わせること。
「証を探そうと思うな。証に溺れる。」
ある臨床家のこの言葉は真理だと思います。
山梨県 甲府市 「漢方坂本」