10月に入り、気候もやっと秋の気配を見せ始めました。
家の近所では、鈴虫が盛大な音量で秋の訪れを教えてくれています。
寒くなり始めたこの季節、秋に起こりやすい症状を簡単に解説していきます。
まずは夜間と朝方に急激に冷え込むこの季節で起こりやすい「のどの痛み」から。
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■のどの痛み
この時期、非常に多くなるのが、のどの痛みに関するご相談です。
他の不調で漢方薬を服用されている方々も、この時期だけは、のどの痛みの治療に切り替えるケースが多発します。
朝起きた時に、のどがザラつき、痛みを感じる。
この症状を筆頭に、放っておくと朝だけでなく、日中まで痛みが残り、そのまま咽頭炎から鼻炎・副鼻腔炎へと炎症が広がっていきます。
最終的には全身の発熱を伴い、風邪を引いたのと同じ状態になってしまいますので、なんとかのどの痛みの段階で抑えたいところです。
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結論から言うと「のどの痛み」には漢方薬がとてもよく効きます。
エキス顆粒剤で十分です。お湯に溶かして、のどに付着させるようにゆっくりと飲み下すのがコツです。
一包で痛みが引くことが多く、痛みが残るようなら、継続的に服用することで炎症を沈静化させます。
効きが良いため、頓服薬(症状がある時だけ飲む薬)として、家庭に常備しておくことをオススメしています。
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のどの痛みを改善する漢方薬には、いくつか種類があります。
そしてこれらは、のどの炎症の進み具合によって使い分けます。
そのあたりの見極めが非常に大切で、的確に合わせないと効果が現れません。
この判定は、痛みの程度や継続時間、のどの赤さなどで比較的容易に見極められます。
そのため、この時期いつものどが痛くなってしまうという方は、一度ご相談いただくことをオススメいたします。
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最後によく使われる漢方薬を2つだけあげてみます。
両方ともそのまま使うよりも、より効果を高める配慮を行うことが大切です。
□桔梗湯(ききょうとう)
桔梗(ききょう)と甘草(かんぞう)との2種類の生薬からなるシンプルな処方。甘く服用しやすいため、お子さまでも問題なく服用することができる。比較的炎症の初期に用いることで効果を発揮する処方。朝起きた時にのどが痛いなと思ったら、お湯にて溶かしてすぐに服用すると良い。この処方にさらに効果を高める配慮を行うと、即効性が増幅する。
□銀翹散(ぎんぎょうさん)
のどの痛みの処方として有名。市販薬として売られていることが多く、比較的手に入れやすい。比較的サッパリとしていて飲みやすい。ただしのどの痛みが顕著な場合には、数種の生薬を加えるか、他剤と合方する必要がある。