人と天候

2022年05月11日

漢方坂本コラム

天候によって症状が波打つとお伝えしている、すべての患者さまたちへ。

気を付けてください。

現在、急激かつ強力な低気圧が近づいてきています。

本日の日本近郊の天気図を見てみると一目瞭然です。(→日本付近の気象衛星

南西方向から迫ってくる巨大な雨雲。

そして案の定、急に体調を乱された患者さまたちから、続々と体調不良のお問合せをいただいております。

最近天気が乱れているから気を付けてくださいとか、今後の天候悪化に気を付けましょうとか、

今までも散々お伝えしていることなのですが、

本日はこうやってすぐにお伝えしなければいけないという危機感があります。

とういうのも生じている症状が、今までにないくらい急激なのです。

長く治療し、もう天候に悪化されませんとおっしゃっていた患者さまにさえ、乱れが生じています。

治療を始めて間もない方であれば、猶更でしょう。

それだけ、今回の天候変化が強力だということです。

各都道府県、同時多発的に、症状が悪化している困った状況です。

まずはパニック障害にて治療中の方々。

動悸・息切れ・胸の圧迫感が起こりやすくなっています。

また頭痛・片頭痛、メニエール病などの回転性めまいフワフワとしためまい耳鳴り耳閉感を治療中の皆さま。

やはり悪化傾向が出てきています。頭部の症状は天候に必ずリンクします。

さらに自律神経の乱れをお持ちの方々、また胃痛下痢などを起こしてしまう方々、起立性調節障害にて朝の頭痛や吐き気・めまい、倦怠感を治療中の皆さまも。

一時的に乱れが生じるはずです。本日、何人かの患者さまから同時に体調不良のご連絡をいただきました。

これらの乱れは体調のみならず、不安感焦りなど、気持ちの乱れも同時に起きるはずですので、

また戻ってしまったのではないか、これからずっとこのままなのではないかと、不安になられていると思います。

しかし、ご心配には及ばぬよう。

急激な悪化が天候によるものである以上は、かならず天候の波と共に症状も落ち着いてきます。

この前、当薬局に長くおかかりになっている患者さまから質問を受けました。

「先生の言う通り、確かに天候が急激に変わるときに体調が悪くなります。

でも病院の先生は、天候で悪化するなんて一言もいいません。何故なのでしょう・・・」と。

確かに、と思わせるご質問でした。

様々な症状が天候の変化をきっかけに悪化するということを、

確かに漢方では当然のこととして捉え、私もそうご説明しています。

でも、西洋医学では漢方ほど強く説明はしないかもしれません。

しかしこれは断じてそうだと言い切れるのですが、

西洋医学の先生たちも、症状が天候で悪化することは知っておられるのです。

最近は雨が多いから頭痛の患者さまが増えるだろうなとか、感じておられるはずです。

それでもあまり天候のことを言わないのは、

天候で悪化したとしても、その情報が西洋医学では治療においてあまり役に立たないから。

雨で悪化したとしても、ストレスで悪化したとしても、

治療上は関係ありません。頭痛であれば確認するべきは背景にある基礎疾患と頭部の検査、そして痛み止め。それが西洋学的に正しい治療です。

西洋医学は科学的根拠を重視します。

確率的な正しさが、実験もしくは統計によって確かめられていなければなりません。

病の原因からその病理、さらに治療法に至るまで、一貫して科学的な根拠に基づいています。

たとえ目の前に起こっていることが事実であったとしても、

それが科学的に証明されていなければ、それは治療には結び付きません。

そして残念ながら、天候によって体調が乱れるという現象は、

現在のところ十分に科学的に証明されているとは言えません。

それが事実があったとしても、科学的に根拠が示されなければ意味がないのです。

そういう「正しさ」を追い求めることが、西洋医学の良い所であると同時に、融通の利かない側面でもあります。

一方で、東洋医学はその「正しさ」を追い求めることが出来ない時代に作られました。

今ほど科学が発展していなかったからです。生きた人間の内部を見ることも、今のように血液中の成分を調べることもできませんでした。

その代わり、目の前の事実を集積し続けました。

何がどうしてそうなるのかが分かっていなくても、ただ目の前の現象だけを観察し続けて作られました。

多分に想像に頼ることにはなりますが、

治療に結び付かない想像は、相当数排除されてきました。

その結果、正しく治療に結び付く想像だけが現在に生き残った。

つまり、長年の経験を根拠として理論が作られているのです。

湿気により体調が乱れる、

急激な冷えによって体の機能が損なわれる、

そういう原始的、かつ直接的な現象が、東洋医学では約二千年前から指摘されています。

そして、そういう場合にどう対応したらよいのか、

その治療方法が、やはり当時から指し示されているのです。

さらに驚くべきことは、その当時のやり方をもって治療を行うと、今でも確かに効果を発揮し得るということ。

人間も病も、数千年前から確実に変化しているとはいえ、

根本は変わっていないのかもしれません。やはり人間は、自然現象に生かされているということです。

天候で体調が崩れるという現象。

これは、現代の科学では未だ解明されていない事実です。

科学的根拠が薄いとはいえ、それでも私は強くこの現象を皆さまにお伝えしたいと思います。

それが経験的根拠に基づく東洋医学の姿勢であり、

現代の我々が知っておくべき、先人の教えだからです。



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