夏真っ盛り。今まさに気をつけるべき養生。

2020年08月19日

漢方坂本コラム

これはマズいぞ。

お問合せを受けていて、やや危機感を感じています。

体調を崩される患者さまが、最近多くなっているのです。

無理もありません。やっと梅雨が明けたのに、この暑さ。

体調が悪くなってしまう前に、早急にお伝えしたいことがあります。

主たるところを短く端的にお伝えいたしますので、ざっと目を通して頂けると幸いです。

まずは結論から。以下の三点を是非気を付けてください。

〇水分でお腹いっぱいにしちゃダメです
〇夏風邪の多くはクーラーかけっぱなしで寝た後の咽痛から始まります
〇寝ている時にスネを冷やさないでください

水を飲む。この酷暑の中では、汗をかくことで水分がどんどん体から抜けていきます。

ですので水を飲むことは大切です。しかし、決して水を飲み過ぎないでください

前のコラムでも散々説明したことではありますが、

今まさに気を付けるべき時ですので、あえてお伝えします。

特にありがちな失敗が、水分でお腹いっぱいになってしまうこと

水を沢山飲むことでお腹いっぱいになり、食事量が減っていくこと、これが最も危険です。

ちゃんとご飯を食べましょう。じゃないと胃腸の働きがどんどん弱くなってしまいます。

水やジュース、果物などで水分ばかりとっているのではなく、ちゃんと食事を摂るようにしてください。

前にもお伝えした通り、夏バテの根本原因は胃腸の弱りです。

水分ばかり撮っていると、そのうち水っぽいものしか受け付けなくなります。

お肉の匂いをかぐのも嫌だ、こうなったら完全に夏バテに移行します。

そうなる前に水分の過剰摂取は控えてください。

夏において、最もポイントになる養生です。

※参考コラム:
◇養生の実際・夏バテ対策編2 ~なぜ夏にバテるのか?胃腸の温存と水分摂取~

もうとにかく暑いです。

日中だけではない。夜もすこぶる暑いです。

こうなると、寝られなくなります。

睡眠不足は夏バテを加速させますので、どうにか寝れるよう環境を調えなければなりません。

先日のテレビでやっていたのですが、

寝る前に寝室をクーラーで冷やしておいて、

寝る時に28℃くらいで弱風にし、クーラーをかけっぱなしにすると良いといっていました。

やってみたら確かに悪くない。

良く寝れた感じがしたので、これはお勧めかも知れません。

ただしここで気をつけて頂きたいのが、

クーラーの風を受け続けながら寝てはいけない、ということです。

体がだるくなってしまいますし、何よりも咽や鼻の奥が痛くなります

こうやって上咽頭に炎症を起こし、そこから発熱や咳へと移行してしまうというのが、夏風邪の最も頻発するパターンです。

ポイントは冷えた風を受けたまま寝ないということ。

そして夜間過剰に冷えた状態の部屋で寝ない、ということです。

もし咽痛が起きてしまったら、そしてそこから咽痛がなかなか治らなかったら、その場合には漢方で良い薬があります。

ただしそうならないように、まずは寝る時の温度管理を工夫してみてください。

あともう一つ、

実は寝ている時に「スネ」を冷やすことで体調を崩す方が非常に多いのです。

スネには「足三里(あしさんり)」というツボがあって、これは胃腸に繋がるツボなのですが、

ここを冷やすと胃腸がどんどん疲労していきます。

そして体もどんどんダルくなっていきます。

寝ている時は、お腹を冷やさないように布団をかけているというのが一般的だと思うのですが、

お腹だけじゃあダメです。

下半身にもきちんと布団をかけましょう。

でも寝ている時に、布団をはいじゃいますよね。

分かります。私だってそうです。

だから寝る時は、長ズボンをはきましょう。

夏こそ長ズボンです。

この「足三里」、夏バテ予防に使えるツボだと思います。

このツボを温めたり、マッサージしたりすると夏バテの予防になると思います。

自分はこのツボが非常に好きで、よく揉んでいます。

クーラーの冷気が下に溜まって、足が冷えるということ良くありますよね。

そういう時にすかさず揉むと良いです。

ネットや本などに詳しい場所が載っていると思いますので、

是非活用してみてください。

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※コラムの内容は著者の経験や多くの先生方から知り得た知識を基にしております。医学として高いエビデンスが保証されているわけではございませんので、あくまで一つの見解としてお役立てください。

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