まいりました。
牙をむく年末。
本来11月から12月初旬は、もう少し安定している時期であったはず。
にもかかわらず、多くの方が悪化しています。
自律神経の乱れと、そこからくる血流障害。
特に頭痛・めまい・耳鳴りなど、頭部に起こる症状が甚だしく、
さらに胃腸活動の不具合から、不安感・焦燥感などのメンタル面に至るまで、
今、苦しんでおられる方がかなり増えています。
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令和5年、思い返せば、
普通ならば安定するはずの時期に、思いもよらぬ気圧の波を受けることがたくさんありました。
今の波もそう。年々天候が不安定になっています。
もっとメディアで取り上げられても良いのになぁと、
不思議に思うくらい、良い時期というものが少なくなりました。
日々患者さまの声を聞かせていただく私が、敏感になっているだけかも知れません。
しかし、そうではない気がするのです。
気象病という言葉を多く耳にするようになりました。
確実に、昨今の天候は私たちに牙をむいています。
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そもそも天候による体調不良は、今に始まったことではありません。
漢方では遥か昔から指摘されてきた事実です。
むしろ、原始的な漢方は天候との闘いだったと言っても過言ではなく。
傷寒、中暑、湿病、温熱などなど、東洋医学では病の原因もしくはきっかけを、明らかに気候とリンクさせています。
西洋医学でも、気候による問題をもっと取り上げても良い気がします。
しかしそうしないこともまた、理解することはできます。
対応する手段がない、ということ。
自律神経を細部にまで理解し、調節する手段を持たなければ、
天候で乱れていることが明らかだとしても、打つ手が無いというのが本音だと思います。
そういう意味では、漢方治療には一日の長があると言えます。
天候と人との関連を、経験的に検証し続けてきたからです。
その手法も確かに多い。様々な方剤が、天候に則した対応を可能にします。
しかし昨今の乱れは、どうやら今まで培ってきた手法を再考する必要があるほどの、大きなものになっています。
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単に寒気によって冷えたからこの処方、
単に湿気に当てられたからこの処方、
そういう一律的な治療だけでは、到底対応できなくなっています。
より本質を突きつつ、現実的な方針を打ち出せるかどうか。
天気という非常に強力なエネルギーのうねりを、
米粒に等しい人体が対応し得る手法を、見つけていかなければなりません。
ある程度の活路は見えています。
しかしこれだけ乱れると、再考の余地がある。
環境と人とが阻害し合う流れ、
それを、そのままにしていてはいけないと思うのです。
ポイントは血流の安定と筋肉。
ただそれを実現していくことの難しさを、近年ひしひしと感じています。
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