12月に入り、いよいよ年の暮れという雰囲気が漂ってきました。
お仕事が忙しくなったり、夜遅くまでお出かけになられる方も多くなるかと思います。
私はこの時期になると、いつも心配になります。
毎年何人か、必ずいらっしゃるのです。前年は体調が良かったのに、年が明けてから急に体調が悪くなってしまう方がです。
その最たる原因は「食生活が変わる」から。
クリスマスから年末・年始にかけて、どうしても食べ過ぎや飲みすぎ、夜遅くに食べるなど、養生が乱れやすくなってしまいます。
そこのところを、グッとこらえてほしいのです。
特に治療を始めたばかりの方は、どうか気を付けてほしい。
生活が変わったとしても、とにかく「食事」と「睡眠」との養生をぜひとも乱さぬよう。
続けていらっしゃった養生からかけ離れることがないよう、何卒よろしくお願いいたします。
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あの方はだいじょうぶかな、この方もだいじょうぶかな。
この仕事を始めてから、そんな心配の中で年末を迎えることが当たり前になってきて、むしろちょっと慣れてきました。
臨床を始めたばかりの頃は、もしかしたら患者さまご本人以上に心配していたかもしれない。
それほど悪化する患者さまが多かったのです。はじめはびっくりしました。こんなにみんな悪化するのかと。
治療を組み立て直さざるを得ない状況が多発して、大変困惑したのを覚えています。
近年では経験とともに、悪化への対応もようやく分かってきました。
だからちょっと慣れてきました。良いか悪いかは置いといて、悪化してもそれほど困惑することはなくなりました。
ただ、
今年はそれでも、ちょっと心配です。
なぜかというと、11月からの雲行きが、少し怪しいからです。
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雲行きが怪しいというのは、不穏な雰囲気が流れている、とかそういう意味ではなく。
そのままの意味です。空の雲の動き、つまり天候が怪しいのです。
11月、天候の不安定さにより体調を崩される方がたくさんいらっしゃいました。
日本海側で急激に発生した雲が雪を降らせ、
その影響から気温が急激に減少。低気圧の波と寒暖差とが、東北から関東、関西至るまで広い範囲で患者さまの体調を悪化させました。
多かったのが頭痛やだるさ、倦怠感。
人によっては不眠やめまい、動悸やほてり。
そして最近、いきなり気温が上昇した日もあった。そしてその後すぐに、また気温が急降下しました。
12月、今後どうなっていくのかは分かりませんが、
このままでいくとまた、症状に波を打ってしまう方が多くなってしまうのではないか、と。
そして、このまま年末かぁ、と。
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人は弱くなり、天候は荒れていく。
人類が西暦を刻み始めて二千有余年、私たちは今、「人」と「環境」との心地よい関係を考え直さなければならない時代に突入しているのかも知れません。
「便利」という心地よさを求めて、確かに昔に比べて心地よく生活できるようになりました。
しかし、その心地よさと引き換えに、居心地悪くなっている何かがある。
人と自然環境、その関係性の中で人体を理解しようとする医学に向き合う中で、しばしばそんな感傷に浸ることがあります。
私自身は、便利であることもとても大切だと思っています。
願わくば、私たちが想像することもできない大きな何かに、致命的な影響を与える前に。
本当の心地よさとは何なのかを、一人一人が考えていく時代になっているのかも知れません。
まずは、スマホの見過ぎ注意。
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