急激に冷え込みます!酒さとほてりに注意です

2021年10月21日

漢方坂本コラム

明日は、急激に冷え込みます。

三週間前まで、日中半袖でもいける時間帯があったのが信じられませんが、

明日の最高気温は13℃だそうです。

冷たい水の入ったプールに投げ落とされるような衝撃です。

いよいよ冬。

そして冬といえば、冷えです。

体が冷えることにより起こる諸症状。

そこへの本格的な配慮が必要になってきます。

ただし、一言に冷えといっても、

急激に冷える場合と、ゆっくりと冷えていく場合とでは、

体への負担がまったく違います。

急激に冷える、という状況に対して人間は比較的もろい。

単に冷えるだけでなく、その急激さに対して、体が一時興奮状態へと向かっていくからです。

冷えることによる興奮、

ちょっとイメージが付きにくいかも知れません。

例えば血圧です。

急激に寒くなると、人体は血流を促すために一時的に血圧が上がります。

そういう生理的反応を背景に、

それがあまりに強く起こっていまうと不快な症状として表れます。

「寒冷蕁麻疹」がその一例ですし、

そして当薬局でもご相談の多い「酒さ・赤ら顔」がその最たる例です。

人体は寒いとそれを温めようとして、興奮へと向かいます。

その結果、血流を促そうとします。寒ければそうしないと、体温が下がってしまうからです。

そしてこの反応は、もともと血流が弱い方ほど強く起こります。

そういう方が急に暖かい部屋に入ると、その興奮がブレーキを失い一気に高まってしまいます。

すると過剰に興奮へと向かうことで、顔に充血が強まってしまう。

これが寒暖差による酒さ・ほてりの原因です。

寒い時期になると、たとえ症状が安定していた方であっても、

人体の生理的反応故に、どうしても一時的にほてりが起こってしまいます。

そうならないためには、

前々から申し上げている養生が大切です。

筋肉をつけること。

運動不足のある方では、どうしても冬にほてりを起こしやすくなってしまいます。

筋肉をつけてベースとして血流が良くなれば、急激に冷えたとしても興奮がそれほど高まりません。

つまり筋肉は寒暖差から体を守ってくれます。血流を安定させる本体が筋肉だからです。

だからといって、ムキムキにならなければいけない、というわけでは決してありません。

筋肉の容積を増やさなくても、

今ある筋肉を、ちゃんと毎日動かしてあげるだけでだいぶ変わってくるはずです。

まずは、大きい筋肉から動かすことが効果的です。

ふくらはぎや太もも、おしりの筋肉にちゃんと負荷をかけてあげましょう。

スクワットなどの筋肉トレーニングが効果的かと思います。

膝などを痛めないように、ゆっくりと、そして出来れば毎日着実に動かしてあげましょう。

筋肉を動かすことでの血流の安定は、一朝一夕ではあまり効果がありません。

毎日、継続することがとても大切です。

そのため残念ながら、今やればすぐにほてりを改善できるというものではありません。

しかし、ほてりに対して着実に効果を出していける手段でもあります。

だからこそ、ぜひとも運動不足を解消していきましょう。

この冬、おそらく急激に寒くなったり、また暑くなったりを繰り返しそうな気がします。

天候の波が激しくなっているように感じる昨今、

養生の大切さをぜひとも実感していただきたいと思います。

〇参考コラム
□酒さ・赤ら顔 〜なぜ温度差でのぼせるのか?ほてり体質者の特徴〜
□酒さ・赤ら顔 ~ほてり体質者と気をつけるべき生活の養生~



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