明日は、急激に冷え込みます。
三週間前まで、日中半袖でもいける時間帯があったのが信じられませんが、
明日の最高気温は13℃だそうです。
冷たい水の入ったプールに投げ落とされるような衝撃です。
いよいよ冬。
そして冬といえば、冷えです。
体が冷えることにより起こる諸症状。
そこへの本格的な配慮が必要になってきます。
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ただし、一言に冷えといっても、
急激に冷える場合と、ゆっくりと冷えていく場合とでは、
体への負担がまったく違います。
急激に冷える、という状況に対して人間は比較的もろい。
単に冷えるだけでなく、その急激さに対して、体が一時興奮状態へと向かっていくからです。
冷えることによる興奮、
ちょっとイメージが付きにくいかも知れません。
例えば血圧です。
急激に寒くなると、人体は血流を促すために一時的に血圧が上がります。
そういう生理的反応を背景に、
それがあまりに強く起こっていまうと不快な症状として表れます。
「寒冷蕁麻疹」がその一例ですし、
そして当薬局でもご相談の多い「酒さ・赤ら顔」がその最たる例です。
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人体は寒いとそれを温めようとして、興奮へと向かいます。
その結果、血流を促そうとします。寒ければそうしないと、体温が下がってしまうからです。
そしてこの反応は、もともと血流が弱い方ほど強く起こります。
そういう方が急に暖かい部屋に入ると、その興奮がブレーキを失い一気に高まってしまいます。
すると過剰に興奮へと向かうことで、顔に充血が強まってしまう。
これが寒暖差による酒さ・ほてりの原因です。
寒い時期になると、たとえ症状が安定していた方であっても、
人体の生理的反応故に、どうしても一時的にほてりが起こってしまいます。
そうならないためには、
前々から申し上げている養生が大切です。
筋肉をつけること。
運動不足のある方では、どうしても冬にほてりを起こしやすくなってしまいます。
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筋肉をつけてベースとして血流が良くなれば、急激に冷えたとしても興奮がそれほど高まりません。
つまり筋肉は寒暖差から体を守ってくれます。血流を安定させる本体が筋肉だからです。
だからといって、ムキムキにならなければいけない、というわけでは決してありません。
筋肉の容積を増やさなくても、
今ある筋肉を、ちゃんと毎日動かしてあげるだけでだいぶ変わってくるはずです。
まずは、大きい筋肉から動かすことが効果的です。
ふくらはぎや太もも、おしりの筋肉にちゃんと負荷をかけてあげましょう。
スクワットなどの筋肉トレーニングが効果的かと思います。
膝などを痛めないように、ゆっくりと、そして出来れば毎日着実に動かしてあげましょう。
筋肉を動かすことでの血流の安定は、一朝一夕ではあまり効果がありません。
毎日、継続することがとても大切です。
そのため残念ながら、今やればすぐにほてりを改善できるというものではありません。
しかし、ほてりに対して着実に効果を出していける手段でもあります。
だからこそ、ぜひとも運動不足を解消していきましょう。
この冬、おそらく急激に寒くなったり、また暑くなったりを繰り返しそうな気がします。
天候の波が激しくなっているように感じる昨今、
養生の大切さをぜひとも実感していただきたいと思います。
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〇参考コラム
→□酒さ・赤ら顔 〜なぜ温度差でのぼせるのか?ほてり体質者の特徴〜
→□酒さ・赤ら顔 ~ほてり体質者と気をつけるべき生活の養生~
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