情報化社会へのヒント

2020年01月21日

漢方坂本コラム

お金を必要とせず情報を得られることが普通になり、

その分幾多の情報に踊らさせる危険性が増している現代。

多分その流れは今後どんどん加速していくし、

利点も欠点も含めて受け入れざるを得ないという立場に私たちは今います。

とかなんとか言っといて、

特段現状にガツンと鉄槌を入れるぞという気概も能力も私には無く。

ただお体のこととなると話は別で、

ちょっと気をつけて欲しいなということを小声で言ってみます。

〇〇が体に良いという情報をネットやテレビで知ったならば、

まずやってみること、そして検証することです。

情報はとても大切ですが、情報を知っているということは特にすごいことではありません。

重要なのは検証であり自分の経験です。

テレビやネットでの情報の出し方・伝え方は、えぐいほどに出来が良い。

まるでさも自分が経験したかのように、強烈な説得力をもってバンバン情報を投げかけてきます。

でもそれは知識ではありません。

本当の情報を知っているのはそれを出した側であって、情報を受けっとた側ではないからです。

自分の知識にするにはとにかく経験・体験することです。

そうすることで、本当か嘘かが分かるからです。

本当のこととは、自分にとって本当のことです。

嘘のこととは、自分にとっては違うということです。

同じ顔の人が一人もいないように、同じ体の人は一人もいません。

実は万人に共通して本当のことというのはほとんどなく、

あったとしたらアインシュタインが導き出したE=mc2 並にとんでもないことなのです。

そんな情報、ネットやテレビにそうそう転がっているものではありません。

だから情報には体験と検証とが必要なのです。

そしてその経験を積み重ねていくと、

どんなにインパクトのある情報であったとしても、

体験せずとも自分にとって本当か嘘かがある程度見分けられるようになってきます。

極論を言えば、情報は誰が言ったかではありません。

自らが、正しく、検証した情報かどうかが、最も大切なことです。

どんな専門家が言っていたとしても、どんな身近な人が言っていたとしても、

正しく成された自分の体験と経験とに勝るものはありません。

だから私の生業は、

患者さまにとにかく体験していただくことなのです。

専門家として情報を出しつつも、

それを患者さまにとっての正しい知識にしていただくというのが、我々の役割です。

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※コラムの内容は著者の経験や多くの先生方から知り得た知識を基にしております。医学として高いエビデンスが保証されているわけではございませんので、あくまで一つの見解としてお役立てください。

※当店は漢方相談・漢方薬販売を行う薬局であり、病院・診療所ではございません。コラムにおいて「治療・漢方治療・改善」といった言葉を使用しておりますが、漢方医学を説明するための便宜上の使用であることを補足させていただきます。