伝統。

歴史を通じて伝えられてきた有形・無形の財産。

世界には伝統的と形容される文化が数多く存在していますが、

かく言う私もその範疇に属することを生業としているという自覚があります。

そこで今回はこの伝統ということについてちょっと考えてみたい。

伝統というものが成り立っている、その理由です。

伝統に成し得た理由、

それは、歴史を通じてその良さが評価され続けてきたからです。

端的に言えば、だからこそ時代を越えて継承され続けてきたわけですが、

ただし、その評価のされ方。

これ実は「やっぱり古いものって良いよね」とか「歴史を通じて生き残っていることが自体が凄いよね」とか、

決してそういう評価だけで生き残れたわけではありません。

古いとか、昔から継続しているとか、

それ自体の評価はあまり意味がない。それだけでは生き残ることができないからです。

もっとシビアで、もっと現実的なこと。

その点において評価され続けてきたからこそ、伝統という形を作り得たのだと思います。

これ、どういうことかというと、

伝統とは単に結果にしか過ぎないということです。

その結果が評価されたとしても、それはあくまで過去のこと。

古墳や土器のように、大切にはされるかも知れません。

しかし変化し続ける時代の中で、生き残るものには決してなれません。

生き残れた理由、

それは、その時代時代において、ちゃんと実質的に貢献できたからです。

時には道具として、時には概念として、

各時代の人々に無くなられたら困ると、必要とされ続けてきたからです。

伝統的な生業を行っている方々には、大きく2つの視点があると思います。

一つは、歴史から本質を学ぶということ。

そしてもう一つは、今現在と未来という状況の中でその本質を如何に活用するかということです。

これら2つの視点をがむしゃらに追求してきたからこそ、

変化する時代の中で生き残り、結果として伝統になったのだと思います。

さて、

今後、世界はどのような変化を見せていくのでしょうか。

AI、SNS、地球環境問題、アフターコロナ、などなど。変化を導く材料は山ほどあります。

大きく変わる時代の中で、

今後、伝統として継承されてきたものが、いったいいくつ生き残れるのでしょうか。

極端に実力が問われる時代。

そんな時代を今我々は迎えているのかも知れません。