漢方の世界観

By 2020年2月20日 コラム, 雑記

以前、映画好きの漢方の先生に勧められて、

「第三の男」という映画を借りて見たことがある。

かなり昔の映画で、確か1940年代とか50年代とかに作られた物。

なんせ白黒である。

映画好きの方にとっては、かなり有名な作品だと思う。

でも当時の私は(今も)映画に関しては素人も良いとこで、

ジャッキー・チェンが出ているか主人公に決め台詞がないとテンションが上がらなかった。

この映画も別段面白かったというわけではない。

しかし記憶には残った。

「光」と「影」が頗る美しかったからである。

映像というものの美しさを初めて認識した映画で、

映画とは何かを少しだけ教えてもらった気がする。

特に内容は忘れたが、石畳の陰影が際立つシーンがあって、

その美しさといったら無かった。白黒とかカラーとかを超越したものだった。

それから私は、地面が好きになった。

地面には色々な美しさが転がっていて、

天気や時間帯によってその美しさは変わった。

そこから好きなものが徐々に広がって、

壁や、窓や、木や、空や建物が好きになった。

そのうち好きなものの共通点が見えてきて、

どうやら、そこに当たり前に有るという「不動性」と

ゆっくり表情が変わるという「推移性」との共存に美しさを感じるようだった。

多分「時間を経る」とか、「時間を感じさせる」というものに興味が湧くのだと思う。

だから漢方の世界観も、私は「美しい」と感じるのだと思う。