最近、テレビを見ていると、ほんと多いなと思います。
漢方薬のCMが、です。
脂肪を燃やす「ナイシトール」は、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)です。
腰に効くぅ!の「ラックル顆粒」は、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)です。
わざわざ漢方名を使わないのは、何か理由があるのかな。
どちらにしてもほんと多いなと。世間に疎い私には実感がありませんが、きっと漢方や生薬が注目されているのでしょう。
ただ思うのが、
ちゃんと売れているのかなと。多分、売れているのだろうけれども。
そして、効いているのかなと。。。効かなければ、そのうち売れなくなってしまいます。
同じく漢方薬を扱う者としては、少々心配です。
結局漢方薬は効かない、と言われてしまうのは、やっぱり残念です。
・
この道に入って約20年。
また若輩者ではありますが、分かってきたことが少なからずあります。
それは漢方処方の使い方を説明することは、とても難しいということ。
どのような処方であれ、○○に効くと簡単には言えない側面があります。
牛車腎気丸がどのような症状に効くのか、
それを説明することは可能ですが、とてもじゃないけど簡単にはできません。
防風通聖散もまた然り。
この処方なんかになりますと、それこそ非常に奥深い哲学が必要になります。
分かりやすく、簡単に説明することは大切ですが、
だからといって、市販されている漢方薬にそれが出来ているとは、正直思えません。
内臓脂肪を溶かし、燃やすようなイメージで売られているナイシトール。
本当でしょうか。腰に効くぅ!と何故か外国人が叫ぶラックル顆粒。
本当でしょうか。そのまま腰痛に使って、効き目を実感することができるのでしょうか。
・
ある視点で見れば、漢方薬には2種類あります。
市販薬に向くものと、そうでないものとです。
要点を掴めば、比較的誰にでも使いやすいものがある。
その一方で、そうでないものも、またあるわけです。
防風通聖散や牛車腎気丸は、明らかに後者に属しています。
しかし、前者に属する薬も、当然ちゃんとあります。
その辺りをちゃんと見極めて市販し、さらに要点を説明すること。
それが出来れば、漢方薬は効かないと、言われることはないのではないかなと思うのです。
漢方薬には、家庭に根付く良薬になる可能性が、十分にあります。
今までのコラムでも、そういうものを何度か解説してきました。
上手に利用してほしい漢方薬があります。小さなHPの小さなコラムですが、その要点を説明するべく、何度がチャレンジしてきました。
漢方薬がちゃんと後世に残っていくためにも、微力ながら出来ることをやろうという試みです。
そして簡単に使える漢方薬と、その使い方、その「本音」をこれからも説明していきたいなと。
というわけで、
私、講義をするわけです。
明日、懇意にしていただいている、Moxies鍼灸院さんのお力添えを頂いて。
題して「漢方処方の本音」。
家庭に根付くことのできる漢方薬と、漢方の世界観とを少々、
ご説明していきたいなと。
ご参加いただける方々、どうぞよろしくお願いいたします。
・
・
・